続き ページ25
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zmside
「せ、せやな。」
少し潤んだ目が見上げるように俺の目を覗いた時、あってはならぬ感情がぐわんと襲ってきたのを感じてしまった。
「シャオロン、入ろか。…毛布、温まってるはずやし。」
「うん!ありがとうぞむ。」
ててて、とシャオロンは小さな足で走って靴をぽいぽいと玄関で乱雑に脱ぐと、一目散に俺がさっきまで入っていた毛布の中へ入っていく。
その様子を見て、俺はなんだか微笑ましい気持ちになって彼の靴を丁寧に並べた後、彼の隣に行って同じように毛布に埋まった。
幸せそうに毛布で遊ぶ彼をみて忘れてしまいそうになるが、やはり俺の記憶が間違っていると考えるは嫌だ。
彼に勇気を出して言った今までの愛の言葉を失いたくはない。
もしかしたらなんだかおかしい魔術にでもかかってしまったのかもしれへんよな、彼が。
ならばいつもと違うこの姿のシャオロンを楽しもうとそう心に決めた。
「シャオロン、なんか食べたいものある?お腹すいたやろ。」
二人で肩を寄せ合いながら、俺はシャオロンにそう尋ねる。
時刻は既に、夜ご飯ですら遅い時間だ。
すると、うーん、と彼は数秒考えた後、俺の腕を掴んで首を横に振った。
「いらん。寒いからぞむがとなりにいて。」
「…。」
大人の姿の彼は、正直になることが少ない。
俺がベタベタと彼に寄っていけば、ぐい、と離れてツン、とそっぽを向いてしまうことの方が多いのだ。まあ、それでも耳は真っ赤に染まっていて、本心を全く隠せていないところがかわいいのだが。
そう、それに慣れすぎてしまっていた。
今、一気に爆弾を何発も落とされた感覚である。
明らかに俺のキャパを超えており、耐えきれないと彼から少し離れれば、なんで?とでも言うように少し寂しそうな顔をしてもぞもぞと毛布の中を動くと、ぴょんと俺の膝の上に乗ってきた。
「お前、いきなりはやめようやっ…」
可愛すぎて直視出来ず首だけ彼から目を逸らすように90度曲げれば、彼は俺の方に振り向いて、小さな手でぐい、と俺の顔を戻す。
「なにがぁ?」
なんだかんだ、いつも彼にドキドキしっぱなしの俺にとって、この彼は耐え難いものだった。みっともないほど赤くなってしまっても、この彼にはからかわれることは無いだろうし、まだマシだろうか。
「シャオロン、降りよう、な。なんかココアでも作ってきたるから。」
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時