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utside
「大先生、今自分がどんな表情してるか分かってます?鏡がありませんから見せられませんけど、多分その俺の『かわいい動作』の何倍もあざといですよ?」
細い人差し指が、つつ、と俺の頬の丁度、さっき涙が通った跡を撫でる。
欠伸したの、バレとるやん。
見えなかった彼の顔が、ようやくはっきり見えてくる。なんだかんだこの暗い部屋にずっといたからどんどん目が慣れてきたのだ。
「まだ、ちょっと頬湿ってますよ、大先生。」
そう言って微笑んできたのは。
「かわいい後輩」ではなかった。
きれいな栗色の髪が、わずかに空いていたドアの隙間風にゆらゆらと揺れている。
優しそうに微笑むショッピくんの顔が、何倍も大人びて見えた。
さっきとはまた違う様に、愛おしむように細められたその瞳は、僕を射抜いては離さない。
ドッ、ドッ、全身を血が巡る音が一段とはっきり聞こえた。
自分がそろそろ死ぬんじゃないかと思うくらい、早いし煩い。
「兄さん、さっきよりももっと可愛いですよ。この暗闇で分かるくらい頬が赤いなんて、電気をつけたら顔が全て、真っ赤に染まってそうですね。」
そう言われてようやく、顔が熱を持っていることに気づいた。
思わず手で自らの頬に触れれば、体温が高熱を出した時のように、熱い。
「ぇ、あ…しょっぴっ‥くん?」
酔っている上に、熱を持った体はもう何も考えることが出来なかった。
ただ、ショッピ君のその姿に、見惚れる他は。
「大先生、俺はチーノとは違って『兄』さんの『弟』であるだけじゃ、満足出来ないんですよね。」
また一段と、彼の顔が俺に近づいてくる。
整った顔が、かわいいと思っていたはずの顔が、今は妖艶であることに驚かざるを得ない。
「別に、嫌なら嫌でもいいんすけど…。駄目、ですか?」
省かれた言葉を埋めるのに、小難しい脳はいらなかった。
お前…、しょっぴ、そんなのどこで覚えてきたんだよ。
熱は上がったまま、下がる気配はない。寧ろ、どんどん酒の影響もあってか上がっていっている感覚がある。
駄目なんか、どうか。
その答えが、とても容易であることに気づいてしまった。
僕がずっと感じていた彼への気持ちが、「かわいい」それだけではない、と自覚してしまったからだ。
そして、また僕の気持ちに一つ、新しい感情が芽生えてくる。
ったく、ほんま、有能な後輩……彼やわ。
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時