続き ページ20
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utside
「ふぁ…、にしても流石に眠いっすね。俺の場合、昨日も気づいたら夜中までゲームしちゃってたんで。」
心なし血色が悪い淡桃色の唇が徐ろに大きく開いて、少しだけ清潔な白い歯が見えた。
いつも細い菫色の目は、より目尻が垂れて細くなっており、そこからは零れはしない程ではあるが、僅かな涙が出ている。潤んだ瞳は、どこか扇情的だった。
ドクン。
訳の分からぬ方向に、心が動く感覚がする。
…ああ、これはいっつも俺がショッピくんに思っている、「それ」だろう。
「ショッピ君ってさぁ。」
酒により判断力が鈍っていて、今までふと思っていたことを口に出さずにはいられなかった。
「…?なんすか?」
結局溢れてしまった涙をゴシゴシと手で拭いながら、ショッピ君は首を傾げた。
それが、ただの後輩というには名残惜しいほど、「かわいい」。
そう、冷静なはずなのに、たまに脳筋になってしまう時なんて小動物みたいで…。
その造作に、思わずきゅんとしてしまう。
「かわええよな。」
そう言った時、俺の家の廊下を歩いていた彼がピタリと動きを止めた。
「兄さん、何言ってるんすか」みたいに軽くあしらってくれると思ったのだが、そうはいかないらしい。
ショッピ君は、数秒そのまま全く動かず、その後小さくため息をついて俺の方にくるりと顔を向けた。
「大先生、それ本気で言ってます?」
いつもよりトーンの低い彼の声に、思わずビクリと肩を動かす。
そもそも俺の家に電気がついていない上、彼の伸びた前髪が邪魔して彼の目はよく見えない。でも、彼の仕草一つ一つをとっても、いつもの「かわいい」…「後輩」ではないような気がした。
「せ、せやけど…?ぴーくん、たまに動作とかちょっとかわええやん。」
玄関に半分くらい寝転がっていた俺は、少し体勢を変え壁にもたれ掛かった。
うぇ…急に動くとちょっと気持ち悪っ‥今日俺そんなに飲んだんか。…明日が思いやられる、仕事やぞ?最悪やろ‥。それに眠いし…。
俺もまた、彼のが伝染したのか大きく欠伸をした。止めようとする間もなく、ぽろ、と一粒水滴が頬を伝って零れてしまう。
…よし、明日について何も気づかなかったことにしよ。
億劫すぎる明日を、忘れよう。と思考回路がショッピくんのこととで右往左往していると、いつのまにか俺にゆっくりと近づいていた彼は、俺の目の前でしゃがんだ。
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時