続き ページ12
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utside
今日は、みんなでトントンの家に泊まりに来ていた。
大量に食べ物を買い込んで、皆でゲームをしようと集まっていたのだ。
寝坊してきたからかはたまた楽しみすぎたせいか、騒ぎ終わって静かになった家の中で、僕は眠れずにいた。
…眠れん。なんでや。
寝返りをうったり、少し本を読んだり、羊を数えてみたりしても、眠気は訪れるどころか遠ざかっていく。
むしろ、僕の布団の隣のせいで目は覚めてきてしまった。
寝息やいびきが聞こえる室内で、隣から聞こえるカチカチというボタンの音と、「うあっ‥。」や「くっそ‥。」といったシャオちゃんの控えめな声。
彼もどうやら眠れないのか布団を被りながらゲームをしているようだった。
そちらを見なくても分かる僅かに漏れた画面の光と、そのシャオちゃんの声で、次第に僕の思考はシャオちゃんの方へ寄っていく。
最近幾度となく、自然に、気づかれないように「好き」…イコールLoveを言ってきたつもりだが、全て空振りに終わっていた。
僕はこういう時だけ小心者だ。
いつも、女を侍らすなんて時には、「愛してる」なんて言葉尻甘く、妖艶に手なんか握ったりして、僕に堕落させることは簡単すぎた。むしろ、僕はそれを糧に欲が満たされていく。
なのに、あんな簡単な筈だった「愛している」の言葉を、彼にかけることが出来ない。
好きは、「Like」「Love」両方として取れるだろう。
僕にとっては、「Love」でも、彼にとっては「Like」。
…こんな事考えてる時点で、滅法、僕自身の恋路は長そうだ。
「愛してる」の、「Love」の比重は「好き」よりもぐんと重くなった気がして。それが、愛してるを僕が多用していた理由だというのに、今はそれが邪魔でしかなかった。
でも、軽くもなりたくない。
いつか、「愛してる。」とシャオちゃんに言えるならば、その時はこの重みで、この僕の形容しがたい切実な気持ちも、本音も、全部詰め込めるような気がした。
『シャオちゃん、愛してる。』
眠れない時、ちょっと凹んだ時、彼が救っていく多くの人々に嫉妬した時。
そんな時だけ、僕はこの言葉を独り、僕自身にかける呪文のようにぽつりとつぶやくようになっていた。
本当は、もっともっと彼にも言いたいし、呟きたいのだが、言い過ぎると僕への効力まで弱くなってしまうような。
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スイコン - 私もsha受け大好きです!小説かけるのが凄すぎるのであこがれます(*´ω`*)これからも更新待ってます! (3月9日 9時) (レス) id: 101a9efed5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - みんな大好き保存箱さん» わ、同志の方ですか…?そうなんです…好きすぎて辛い…。お話のシチュ、僕の性癖なんで同じ性癖ですね!← sha総受けですね?久しぶりに総受け書くので不安ですが、了解しました! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
あーちあ(プロフ) - ただの人さん» そうなんですよ…!二人共可愛いというイメージがあったので、そこから抜け出せなかったです…!喜んでいただけて良かったです!! (2023年2月6日 22時) (レス) id: c941e8c409 (このIDを非表示/違反報告)
みんな大好き保存箱 - (ut×shoいいですよね…お話のシチュめちゃくちゃいいし………)………リクエストよろしいですか?……sho総受けが少なすぎて地底を這いつくばっているんです。 (2023年1月31日 21時) (レス) id: fe795c33ba (このIDを非表示/違反報告)
ただの人(プロフ) - リクエストの方ありがとうございました…🥹いやマジでやっぱショッピくんもだいせんせーも可愛いですよね…うつしょぴの供給ありがとうございます…ごめんなさい、しばらくサイトを開いてなかったので更新に気付けず…こんな素敵なお話ありがとうございました! (2023年1月14日 17時) (レス) @page22 id: 28d0277656 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーちあ | 作成日時:2022年9月19日 18時