やっぱり、

◎３１ ページ31

.



解散後すぐに

俺の家近いから、なんて手を繋がれて歩き出した。


「まって、家行くの…？」
「え、そうだけど…」


この反応、さすがに大学生だからわかる。

合コンってそういうもんなの？

樹がいたから、普通の大学生の感覚もわかんない。

私にとってはそれが当たり前で、

ずっと当たり前が続くならそれで良かったんだけど。

行かないって言っても一緒なんだろうなあ。

なんて、もう諦める。



「…っ、待てよ！」


そんな私の腕を掴むのは、


「樹、」


こないだナンパされたときも助けてくれた彼。


「何してんの、」
「何って、今から遊びに行くんだけど」


ねー、って私に同意を求める。

頷こうとしたけど、

その前に彼に掴まれてた腕を引っ張られた。

そのまま、腕の中にすっぽり。


「俺の彼女だから、触んな」


また、そんなこと言って。

あの日も言ってたね。

私を助けるために。

なんで、そこまでするの。


「フラれたって言ってたけど」
「喧嘩した腹いせにだろ、な？A」
「…あっそ」


そう言って来た道を引き返していった男の人。

きっとあの人は私なんかじゃなくっても

また別の合コンで女の子を探すんだろうな。

でも私は、樹じゃなきゃダメなの。

あなたじゃ変わりにはならなかったよ。

◎３２→←◎３０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す