◎27 ページ27
.
「誰か…っ」
必死に周りに助けを求めたとき、
突然視界が歪んで、
気づけば誰かの胸の中にいた。
「こいつ俺の彼女なんで」
聞き慣れた声に顔を上げれば、
この前冷たい言葉を放ち去って行った樹。
「……チッ」
舌打ちして去って行く男の人。
もうどこかへ行ったのに、
彼はなかなか離してくれなくて。
「…、離して」
そう言うとすぐに離れる彼。
離れてって言ったのは自分なのにどこか寂しくて。
目に涙がたまるのが自分でわかる。
気づかれないように少し下を向く。
「あれ、泣いてんの?」
なのに彼にはすぐにバレてしまう。
また腕を引っ張られて胸の中へ。
押してみても離してくれる様子はなくて、
むしろ力が強くなる一方。
「怖かった?」
「…当たり前でしょ、っ」
「あんな奴に気をつけてって昔から言ってたのにな」
「うる、さい」
あんなことを言った彼とは思えなかった。
会いたくなかった、って言ったくせに。
なんでそんなことするの。
そっと顔を上げると視線が交わる。
もう捕まんないでね、ってその場を去った。
109人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
憂 雛 .(プロフ) - 千明さん» こちらの作品のコメントは全て削除させていただきます。他作品で荒らされた分に関しては、違反報告をさせていただきます。 (2018年2月13日 21時) (レス) id: 96ea704e38 (このIDを非表示/違反報告)
千明 - 管理人さん あたし 一生 お前の事 恨んでやるから。 (2018年2月13日 21時) (レス) id: 4edceca798 (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - この作品おもしろくて更新が楽しみだったし、めっちゃよかったです!続編か樹くんメインのお話できたらまた読みたいです!おつかれさまでした!! (2017年5月16日 17時) (レス) id: bcf8818214 (このIDを非表示/違反報告)
憂 雛 .(プロフ) - クロシアさん» 間違えてつけてしまっていたみたいです。すいません。今後気をつけます。ご指摘ありがとうございました。 (2017年3月2日 20時) (レス) id: 96ea704e38 (このIDを非表示/違反報告)
クロシア - この作品は、実在する人物の名前が使われた作品です。オリジナルフラグを外してください。場合によっては違反報告されてしまいます。棲み分け宜しくお願いします。 (2017年3月2日 17時) (レス) id: aa524e2443 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:憂 雛 . | 作成日時:2017年2月26日 20時