検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:7,688 hit

しあわせの味 。 ページ10

※ 今回のお話には卒業済みライバー樣が出てきております。






きらきら光るショーウィンドウ。
その中に眠ってるかわいいかわいいケーキ達は今日も誰かに食べられる為に待っている。


『 それにしても、奢ってもらっていいの!? 』

「 いいって言ってるでしょ。早く選んで 」

『 はぁい 』


無愛想に早く、と急かしてくるのはまゆくん。
ふわくんとあきなと三人でユニット組んでるメッシャーズ、わたし好きなんだよなぁ。
なんて考えながら無難にショートケーキを選ぶ。


「 それでいいの? 」

『 え〜〜それで、っていうかなんでもいいよ!だってまゆくんと一緒に食べれるんならなんでもおいしいからね 』

「 もう味わかんないのに? 」

『 それは言わないお約束でしょ? 』


窓際の席に座って飲み物を注文する。
入れ違いにショートケーキが机の上に並んだ。


「 ねぇ、これからどうするの 」

『 どうするって、何が? 』

「 …Aが、 」

『 死ぬんじゃないか、って? 』


ちょっとだけびっくりしたのかな、まゆくん。
瞳が揺れてて、動揺が隠せていないよ。

でも、君の瞳を揺らせるぐらいにはわたしも大きくなったのかなぁ。


『 あのね、まゆくん。わたし、そんなこと出来るほど勇気もないし行動しようとも思わんよ 』

「 じゃあ勇気とかそういうのがあったらやろうとしてた? 」

『 そうかもね。でもわたしはそんなもの持ってないし、できないから 』


運ばれてきたアイスティーと手のつけられていないショートケーキが場違いにきらきらしている。
あーあ、こんなんになるならケーキになりたい。
それで誰かに食べられておしまいにしたいの。

だって、いいよね。死ぬときにケーキは誰かが笑ってくれるんだから。
人間は死んだら泣く人の方が多いのに。
そう思いながらケーキを食べていく。

甘くておいしいって言った方がいいのかな?
でも、まゆくんだからいっか。


「 じゃあAは誰かに殺されたら何を思うの? 」

『 どうするの、じゃなくて何を思うかでいいの? 』


うん、と頷いて返事を待っているまゆくん。
なんて言おう。どうやって包もう。

嘘と本音をごちゃ混ぜにして言う。


『 うーん、ありがとうかなぁ 』

「 そう、じゃあ幸せだね 」

『 うん!しあわせだ 』


味のしないショートケーキを食べながら幸せを噛み締めていたかった。

狡くて甘い 。→← ※ 現在この動画は削除されています。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
134人がお気に入り
設定タグ:2j3j , knmc , kne
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うか(プロフ) - はぁぁぁぁぁ−好きッッッッッ (11月27日 17時) (レス) @page6 id: 3da31f1962 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:な る せ 。 | 作成日時:2023年10月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。