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手遅れ 。 ページ6

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「 ねえ、湊ってば!聞いてる〜?? 」

『 あー、ごめん!なんの話やったっけ? 』


甘ったるい香水 。
ばちばちのメイクに長くて鋭い爪 。

やっぱり、Aちゃん以上にかわいい子なんていないのに 。
俺の目の前にいる姫でさえAちゃんと少し重ねてしまったのは 。


もう、手遅れなのだろうか 。




____
___




『 Aちゃん、? 』

「 ぁ、ふわくんだあ、笑 」


君が、Aちゃんが亡くなる前日 。
俺はAちゃんと会っていた 。

会う約束とかはしていなくて、本当にたまたま 。

家の傍にある小さな公園の暗闇の中でAちゃんはじっと蹲っていた 。
それを見て見ぬふりするのもなぁ、なんて思って 。


『 なにしてるん? 』

「 うーん 、 どうしようかなって考えてた! 」

『 どうしようって、何が? 』


そう聞くとAちゃんは顔を上げた 。
瞳が、合った 。


─── 濁り切った、瞳 。


いつものAちゃんらしくないな、なんてものじゃ片付けられないくらいに、
濁り切っていた 。

その目が何を思っているのかも 、
どうしたいのかも 、
俺にはさっぱり分からなくて、それがどうにも嫌で 。

これがもちさんだったら 、
甲斐田だったら 、

また何か違うのかなぁ、なんて 。


この時ばかりは、何もない自分が嫌になった 。


「 ─── … ふわくん、ありがとうね 」


Aちゃんは、何も言わずに立ち去った 。
あれが何を意味していたのかもわからない 。

もしかしたら、俺に言ってもどうにもならないから 。
俺には全然関係ないから 。
本当は首を突っ込んでなんか欲しくなかったから 。

立ち去った理由を考えても、キリがないからやめた 。


『 ありがとう、かあ 』


俺はAちゃんが何を言おうとしていたのかわからないし 、
実際、なんでVtuberの世界に入ったのかすらわからない 。

分からないこと、だらけ 。

そこで俺が、明日いっぱい聞こうなんて思ったからだったのか 。
明日が来ると、無意識に思っていたからなのか 。


必ずしも明日が来ることが決まっている訳じゃないと、知っていた筈なのに 。



─── Aちゃんが亡くなったことを聞いたのは、その翌日の夜だった 。




【 ???者 : 不破湊 】

ごめんね 。→←呪い呪われ 。



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うか(プロフ) - はぁぁぁぁぁ−好きッッッッッ (11月27日 17時) (レス) @page6 id: 3da31f1962 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:な る せ 。 | 作成日時:2023年10月29日 19時

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