天使の呪い 。 ページ4
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収録が終わって机に突っ伏していた時 。
ドタッ、と鈍い音がして廊下から大きな音がしたので扉を開けた 。
そこには倒れている星川さんがいた 。
『 ─── … えっ、?あ、あの、誰か!!!ぇ、いませんか!?!? 』
頭が上手く回らない 。
あれ、呼吸、深呼吸しないと 。
どうやるんだっけ、どうすればいい?何が正解?
… Aちゃんなら、Aちゃんだったら上手くやれたんだろうなぁ、。
遠くからドタドタと足音が聞こえてくる 。
もちさんに叶さん、葛葉さんまで 。
大丈夫か、なんて言われて少し泣いてしまった 。
『 いや、あの、それよりも星川さんが … ッ 、 』
三人は驚いた顔をしていたが次の瞬間には各々救急車やらスタッフさんやら呼んでいた 。
さっきの僕とは大違いだ、なんて場違いにも考える 。
嗚呼、やっぱり 。
─── なんかもう、全部が呪いだった 。
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Aちゃんと初めて会ったのはいつだっけ 。
嗚呼、そうだ 。 あの日、忘れもしない、鮮明な記憶 。
あの日は本社に呼ばれていた 。
朝早くからだったから眠いなぁ、なんて考えてて 。
信号を待っていた時、隣からドサッと鈍い音が聞こえた 。
見ると年配の女性の方が倒れていた 。
桜魔で血を流している人も沢山見てきた筈なのに 。
どうすれば良いのかわからなくて動けなかった 。
「 ─── 大丈夫ですか!?しっかりして下さい! 」
動けない僕とは正反対にすぐに動いた女性がいた 。
可愛らしくて、華奢な体 。
何かに当たったらすぐ折れてしまいそうな程細い腕 。
─── 天使 。
そんな言葉が似合う人だった 。
その後たまたま本社で会って声をかけた 。
最近聞いたけど、昔ボランティアで色々やっていたらしい 。
とても彼女らしいと納得がいった 。
コラボもよくしたし、趣味もあったから沢山話した 。
これからもずっと続くって、思ってたのに 。
「 ─── 甲斐田くん、落ち着いて聞いて 。 Aが … ッ 、 」
そこからの記憶は途絶えている 。
ただふと我に返ったら家にいた 。
天使がいない世界でも何事もなかったかのように廻る世界に嫌気がさしたのは事実だ 。
それでも僕は生きることを選んだ 。
もう彼女が戻らないとしても、僕が生きる限りAちゃんは生きれる 。
忘れてなんか、やるもんか 。
【 盲目信者 : 甲斐田晴 】
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うか(プロフ) - はぁぁぁぁぁ−好きッッッッッ (11月27日 17時) (レス) @page6 id: 3da31f1962 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:な る せ 。 | 作成日時:2023年10月29日 19時