麦わらのトンタちゃん!【OP】 (ページ3)

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1-トンタちゃんと麦わら御一行ページ3

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「はぁ?良い人?」

航海士、ナミが声を荒らげた。
真正面から「良い人ですか」と問うなど、唯の馬鹿なのだろうか。

Aは「?」と心底疑問そうに首を傾げると、「悪い人なんれすか?」と言った。

「おれは海賊王になる男だ!!だから、良い人ではねェぞ」

そう言ったルフィに、Aはがーん、とした表情になった。
うるうると目に涙を溜めて、「どうしよう……マンシェリー姫と仲間を助けられないれすよ……」と落ち込む。

「なにか事情があるのよね?まずはそれを話してみたらどう?」

考古学者のロビンのその提案に、Aは「でも、良い人じゃないと言えないれすよ……」と呟く。

「大丈夫。私たちは良い人よ」

ウソップ、ナミ、チョッパーの3人は、「そんなので信じるか!!」と内心声を荒らげた。

しかし────

「あ、ならいいれすよ!」

Aは顔をぱぁぁ、と綻ばせ、「なぁんだ、良い人だったんれすね!あー良かった!」と言った。

────何この信じやすさ。
全員の思考が一致した瞬間だった。

「な、なんて説明したらいいんれしょう……あー、わたしの馬鹿!」

Aは少し────否、かなり語彙力に問題がある。まとまらない脳内の思考を何とか振り絞り、話すことを決める。

こほん、と咳払いをひとつ。
Aは話を始めた。

「えーと、兎に角わたし達の目的はドンキホーテファミリーを滅ぼすことなんれすよ!」

ドンキホーテファミリー。
その言葉に、真面目にAの話を聞いていなかった者を含めた全員が反応した。

「我らがトンタッタ王国の姫を含めた500人の仲間が、悪い大人間に捕まっているんれすよ!」

Aは胸を張って、「だから助けに行くんれす!仲間れすから!」と付け加えた。
しかし、「けど……」と一気に窄む。

「わたしはトンタ兵の副長。兵長のレオや隊長と皆で頑張ってきたんれすけど……やっぱり無理だったんれす!」

うわあああん、とAの双眸から涙が溢れた。
そして、「だから助けてくらさい!」と言った。

「で、どうするの?ルフィ」

大泣きする赤子のようなAに、ナミが半分呆れ気味でルフィに言った。
ルフィは一瞬悩んだ後、「よし、助けるぞ!」と言った。

「おいルフィ。ドレスローザはあくまでも通過地点だぞ。分かってんのか?」

戦闘員であるゾロが言った。
その厳しい目付きに、Aは更に涙を零した。