6-追想に更ける ページ8
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「お邪魔します〜」
Aは呟くような声でそう言って、恐る恐るおれたちの家に足を踏み入れた。
まさか家に来るとは思わなかったなー、とか思いながら、風呂場を案内する。
雨に濡れたAは色っぽくて、いたずらっ子のような笑みも矢張り
おれは前世―――――Aのことが好きだった。
本当にどうしようも無いくらい好き好きで大好きだった筈なのに、おれは記憶喪失になって、一時期彼女のことを忘れていた。
Aはゴア王国の王に仕える騎士の家系の末っ子で、おれの父親が出来る限り王家に近づけるように、と用意した婚約者だった。
どうせ貴族として立派に顔も性格も醜い女なのだろう、と思っていたが、見事に予想をひっくり返されて、おれは直ぐにAに惹かれていたんだっけ。
そんな追想に更けっていると、頬を火照らせたAが風呂場から出てきた。
先程とは違い、ホカホカとしたAは、雨の下とはまた違った色っぽさがある。
「お風呂どうもありがとうございます〜」
「いえいえ、いいのよ」
火照った顔で出てきたAに、おれたちの母親―――――緑色の髪が特徴的な、前世のマキノさんが小さく笑みを向けた。
因みに言うと、親戚にはダダンみたいなババアが居る。怖いけど実は優しい。
「いやぁ、ありがとね〜」
「ふふっ、いつでも遊びに来てね」
玄関でほわほわと笑うAに、4人で見送りをする。
ドアから出て行った後、おれは少し名残惜しそうにそのドアを見つめていた。
と、その時―――――
「〜〜っ!!見て!!虹!!」
玄関からAが入ってくる。
勢いが余り、鍵を掛けようとしたおれの胸元に飛び込んできた。
赤面して慌てて離れたおれ達を、エース達がくすくすと笑う。
「ごめん〜!っでもねぇ、虹がすんごいの!!」
そう言って目を輝かせるAに、ルフィは興味津々。
「へぇー、どんなのだ?」と言って、外へ飛び出て行った。
外へ出れば、夕暮れと虹が混ざり、幻想的な空を写していた。
淡い夕色が水溜まりに反射し、7色と混じる。
コルボ山でもこれと似た様なのを見て、Aが喜んでたなぁ、と思い出す。
「何か懐かしい気がするんだよねぇ。急に入って来ちゃってごめんね〜、あまりにも綺麗だったから〜」
そう言って「えへへ」と無邪気に笑うAは、やっぱり変わってはいなかった。
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クロ - めちゃくちゃ面白いです！更新頑張ってください✨ (6月16日 2時) (
レス) @page16 id: bc50a78055 (このIDを非表示/違反報告)
_ururu_ - うり太郎さん» リクエストありがとうございます。了解しました。 (2021年12月10日 21時) (レス) id: 0cf7d72f9c (このIDを非表示/違反報告)
うり太郎(プロフ) - リクandコメ失礼します…!ベポ、シャチ、ペンギンと主ちゃんで遊園地が見てみたいです!! (2021年12月10日 21時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
_ururu_ - どこでもニトリさん» リクエストありがとうございます。了解しました。 (2021年12月5日 21時) (レス) id: 0cf7d72f9c (このIDを非表示/違反報告)
どこでもニトリ - 初めまして!リクよろしいでしょうか?盃兄弟との絡みが見たいです!(特にサボくん)お願いします!! (2021年12月5日 21時) (レス) id: c9f8dc2643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：_ururu_ | 作成日時：2021年12月3日 19時
