「」と言う、君が。【短編.d!】 (ページ3)

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熱 tn ページ3

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あまりにも頭が痛くて目を覚ますと、視界にトントンがうつる
熱のせいで気でも狂ったのかトントンなんかの幻が見える
疲れてるんだ、私…

もう一度寝ようと思えば頬をペチペチと叩かれる

「幻ちゃうし。なんかってなんや、なんかって」

「痛っ、痛い！わたし病人！」

「お、起きた。寝かせんぞ、飯食って薬飲めや」

「寝かせんぞって何！やらしい！病人の私を襲おうとしてるの？ヤダ！」

「お前ホント熱あるんやろな」

そう言うと彼は私のおでこを触る
ドーテイの癖に天然なのか？心なしか距離が近い

なんだなんだこれは！

「ちょ、ちょっと！近いし！」

起き上がって彼の胸板を押すけど全然力は入らない

「え、何？ざっこｗｗｗ」

「うるさ、い！」

声をあげたせいで目眩がして自然と彼にもたれかかる形になる

「ほらまだ体熱いやん。大人しくしときって、飯持ってくるから」

さっきの煽りはどこいったのよ

「…トントンのせいじゃん」

「はいはい、すんませんでしたー」

頭をポンポンとして私をベッドに寝かした後、大人しく待っとってなと言い、部屋を出た

ご飯を持ってきてくれるだけなのに、はやくきてほしいなんて思うのは熱のせいにしておこう
クラクラする頭も、決して甘々な彼のせいではなく、熱のせい

のはず…

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