＊君はもう既に ページ39
いつも通りベッドの上で目が覚める。
顔を洗い、朝ご飯を食べ、いつも通り玄関の扉を開ける。
これまたいつも通りの通学路を歩いていた時、ソレは現れた。
現れたというより、空から降ってきたという表現が正しいだろうか。
全身真っ黒い服装に、癖っ毛の髪。
顔は黒い猫面をつけていて見えないが、高い身長とガタイの良さからして男だと分かった。
現れた男に唖然としていると、突然、男は私の腕をガシッと掴んだ。
「行くぞ」
「は？」
何処へ？そんな言葉も吐き出せぬまま、男は私の腕をつかんで歩いていく。
暫く呆然としていたが、ようやく状況が分かってきた私はグッと足を止めて叫んだ。
「ゆ、誘拐！！」
「は？」
今度は男がすっとんきょんな声を出す番だったらしい。
しかし私は声を張り上げる。
こんなに堂々と女子高生を攫うなんて信じられないが、新手の誘拐犯はこんなこともするのか。
「誘拐されてます！誰かーー！」
「おい馬鹿！黙れっ！」
「黙らない！誰か助けて！」
掴まれた腕を離そうと引っ張ってみるも、力の差は歴然。全く離れる素振りがない。
その時だった、通りに人影が見えたのは。
見ると、買い物袋を手に下げたおばさんが道を歩いていた。
チャンスだ、今なら叫んで助けてもらえる！
「そこに居るおばさぁぁぁん！！誘拐でぇぇぇぇす！助けてぇぇぇ！！」
あらん限りの声で叫ぶが、おばさんは見向きもしない。
焦る私に、男も声を張り上げる。
「少し落ち着け！」
「助けてぇぇぇ！！」
「話を聞けよ！」
ここまで叫び暴れていても気づかれない。
どうなっている？
まるで、まるで私の存在自体が無視されているような…。
そこまで考えた時、猫面の男は平坦な声で「無駄だ」と言った。
「お前、もう死んでるんだぞ」
と。
「…は？」
晴天のある朝。
それは、あまりにも突然の出来事だった。
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ぺぽん(プロフ) - わわわさん» イベントに参加させていただきありがとうございます。神作品だなんて嬉しすぎます🥰これからも面白い物語を書けるように練習していきますね🙌 (2023年3月24日 20時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
わわわ - 作品の参加、ありがとうございます！！色んなシチュが一つ一つの個性を持っている。でも全部面白い…神作品や… (2023年3月24日 20時) (レス) @page26 id: 227f2d1e2c (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！これからも思い付いた場面を投稿していくので、不定期ですがぜひ楽しんでくださいね。 (2023年2月16日 17時) (レス) @page25 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2023年2月16日 17時) (レス) id: 20647828cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぽん | 作成日時：2022年7月12日 22時
