・ ページ24
しばらく森を進むと、紫色の小さな花が沢山咲いていることに気づいた。
頭上に広がるその花は、木々の間から溢れる夕日に照らされて、まるで紫色のカーテンのよう。
「綺麗…何の花だろう」
「知りたいか？」
急に後ろから声がした。
驚いて後ろを振り向くと、そこには一人の子供が立っていた。
背丈は私よりも少し高い。
その子は何故か狐の面をつけていて、服装も袴のようなものを着ている。
あまり見慣れない格好だった。
「…うん、知りたい」
「これは藤の花だ。厄除けの効果があると昔から言われているから、神社に植えているところも少なくない」
顔は見えないが、口調や声の高さからして男の子だと分かる。
「そうなんだ…」
藤の花、覚えておこう。
「ところでお前、こんなところに何しに来た？」
「えっと、道路脇にある看板を見て稲荷藤神社のバイトをしに」
「へぇ…バイト、ね」
なんだろう。
お面で隠れてて少年の顔は見えないけど今笑われた気がする。
「まぁ頑張れよー、過重労働で死なないといいな」
「え、過重労働？それってどういう…」
言葉の意味を聞こうとしたが、瞬きをする間に少年は居なくなってしまった。
「…名前聞けなかった」
過重労働で死なないといいな？怖いこと言わないでよ全く。私は少しの不安を抱えながら神社を目指した。
「ここが稲荷藤神社かな」
大きな朱い鳥居が見えた。
その先の階段を上がると、お賽銭や鐘が見える。
「はぁー疲れた。ちょっと休憩___」
「馬鹿者！！」
「うぇぇえあ？！」
しゃがんだ瞬間、頭がかち割れそうな程の怒声が降ってくる。
私は水をかけられた猫の如く跳ね上がった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 8人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺぽん(プロフ) - わわわさん» イベントに参加させていただきありがとうございます。神作品だなんて嬉しすぎます🥰これからも面白い物語を書けるように練習していきますね🙌 (2023年3月24日 20時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
わわわ - 作品の参加、ありがとうございます！！色んなシチュが一つ一つの個性を持っている。でも全部面白い…神作品や… (2023年3月24日 20時) (レス) @page26 id: 227f2d1e2c (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！これからも思い付いた場面を投稿していくので、不定期ですがぜひ楽しんでくださいね。 (2023年2月16日 17時) (レス) @page25 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2023年2月16日 17時) (レス) id: 20647828cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぺぽん | 作成日時：2022年7月12日 22時
