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自分が籠の中の鳥なら、親が飛び立つのを許してくれなかったことが原因だろう。
『もっと周りの人に恵まれていれば…きっと私は』
「人のせいにすンじゃねぇ！」
「！」
自分の心を読まれたみたいで、びくりと肩が跳ねる。
「お前は馬鹿な上に臆病だ。怖がっても、誰かが助けてくれるわけじゃねぇ。自分で行動すンだよ！」
そこまで言うと、男は少女の頬から手を離して立ち上がる。
「心の中で願ってるだけじゃ、誰も叶えちゃくれねぇよ」
そこまで言うと、男は背を向けて歩き出す。
『待って…』
声が出ない。
咄嗟に伸ばした手は震えていた。
『私…私は…』
本当は、死にたくない。
死にたくなんてない。
誰かの温もりを感じたい、沢山笑いたい。
『自分で行動すンだよ』
男の声が頭に響く。
「待って！」
男の足が、ピタリと止まる。
生き物のように動く心臓を押さえるように、胸に手を当てて息を一つ吐く。
頑張って言うんだ。
今まで誰にも言えなかった言葉を。
震える体で息を吸う。
「…たすけて」
「あぁ？聞こえねぇ」
「助けて！」
声が裏返った。
でも、それだけ必死だった。
私を助けて。
辛いの、苦しいの。
ずっと、言えなかった。
男がゆっくりと振り返る。
その表情は
______にやりと笑っていた。
「その気持ちが本気なら付いて来い」
「…どこに行くの」
「馬鹿で臆病なお前の居場所が見つかるかも知れねぇ場所？」
「…」
ぎゅっと拳を握る。
夕焼け色の瞳をゆっくり閉じて、開ける。
覚悟は、できた。
少女は立ち上がると、夕日を背に力強く地面を蹴った。
これは、居場所を求める臆病な少女と、ぶっきら棒で意地悪な男、その仲間たちの成長を描いた物語、はじまりの一頁である。
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ぺぽん(プロフ) - わわわさん» イベントに参加させていただきありがとうございます。神作品だなんて嬉しすぎます🥰これからも面白い物語を書けるように練習していきますね🙌 (2023年3月24日 20時) (
レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
わわわ - 作品の参加、ありがとうございます！！色んなシチュが一つ一つの個性を持っている。でも全部面白い…神作品や… (2023年3月24日 20時) (レス) @page26 id: 227f2d1e2c (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 十六夜紅葉@斎藤一推しさん» そう言っていただけて凄く嬉しいです！これからも思い付いた場面を投稿していくので、不定期ですがぜひ楽しんでくださいね。 (2023年2月16日 17時) (レス) @page25 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉@斎藤一推し(プロフ) - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2023年2月16日 17時) (レス) id: 20647828cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺぽん | 作成日時：2022年7月12日 22時
