帰り道、雨よ降れ

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「うわぁ‥」


奈「あっちゃーー‥
　 思ったよりもこぼしたねぇ」


勝「シャツとか替えあるの？」


「ない‥‥」


奈「午後普通に授業だよ‥」


「あ〜カレーのシミ大量につけた
　だっさい女になってしまう‥」


奈「ジャージで授業受ける？」


「1人だけ‥しょうがないけど
　めっちゃ恥ずかしいね‥

　‥まあカレーのシミつけてるよりは良いかな」


勝「もうほんとに気をつけなよ‥
　 小学生じゃないんだからさ
　 って聡？？どこいくの？」


聡「ジュース、まだ時間あるし」


時計を見るとまだ昼休み明けの
授業まで30分くらい余裕があった。


勝「アップルティーね！」


そう言いながら、
きゅひっと調子良く笑う勝利くんが
ちょっと子供っぽく見えて可愛かった


聡「りょうかーい！」


そして聡ちゃんも私には見せない
満円の笑みで笑って出て行って、

またモヤッとした。


まあでも

学食を出てすぐそこに自販機はあるから
5分もせずに戻ってくるだろうと
思っていたのに、

聡ちゃんは10分経っても帰ってこない


勝「聡おそいね」


奈「自販機ってすぐそこにありましたよね？」


「なんかあったのかな」


そうみんなが口にし始めた矢先に


聡「お待たせー！いやー飲みたいの
　 近くの自販になかった〜」


"つかれたぁ"なんて
言いながらドスっと座り込む


聡「はい、しょーりアップル」


勝「ありがとう」


聡「奈緒ちゃんこれ、いける？」


奈「えっありがとうございます」


聡「‥はい」


「あ、りがとうお金‥」


やっぱり動揺が隠せなくて
カタコトになってしまう


聡「いい」


やっぱり私にだけそっけない


勝利くんにはアップルティー
奈緒にはミルクティー
私はオレンジ
聡ちゃんはココア

せっかく買ってきてくれたから

みんなで飲み物開けて
もう少し喋れたらよかったんだけど


勝「あ、でも‥

　 A着替える時間いるでしょ
　 次俺たちも移動だし解散にする？」


といわれてしまっておひらきになった。



勝「ばいばーい」


そう言ってサッと帰って行く勝利くんに
聡ちゃんがすぐにうしろついて行くと
思っていたけどいなくて

思わずキョロキョロしていたら


聡「ん、」


そう言いながら無理矢理紙袋を渡された


「え、なにこれ」


その後はもう私の質問に答える事
なんて無く完全にスルー


聡「あ、奈緒ちゃんばいばーい」


奈「さよならー！」


奈緒に愛想のいい挨拶して
何事もなかったかのように帰って行った

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