_ ページ26
結局プリントを置いて聡ちゃんは去っていった。
明日答え合わせするから忘れないでね、
と一言付け加えて。
結局私はヒーヒー言いながらもそのプリントを授業の合間をぬったりして終わらせた。
やっと一息、と思ったお昼休みの時間。
飲み物を買いに行ったら勝利くんと
自販機前で遭遇した。
「あっ」
勝「あ」
私の顔を見ると自販機にお金を入れた。
ボタンを押すとガタンと音を立てて出た
飲み物を私に差し出してくる。
勝「ほら」
それは私の好きなオレンジジュースで。
スマートさにびっくりしていると
勝「あれ？これじゃなかった？」
と焦ったように言うから
「ありがとう」
って素直に受け取っておいた。
凄いって思ったけどあえて褒めはしなかった。
今日は奈緒が先生に呼び出されたから
お昼ご飯はとうに食べていて。
暇だから、と中庭のベンチに座ると
彼も隣にスッと座ってきた。
勝利くんはアップルティーを飲んでいた。
しばらく沈黙が続いた後に、
勝「昨日、聡鼻血出したこと言ったら不機嫌
なったでしょ？それ多分こんなんで
鼻血出すって恥ずかしいってなってた
だけだから気にしなくて大丈夫だよ」
と、ふと昨日のことを呟いて微笑む
そんな勝利くんを見てふと、
何も言えなくなった。
無駄に綺麗な横顔を見つめてなんだか
わけもなくしんどくなる。
「‥最近ずっと思ってたんだけどさ、」
勝「ん？」
勝利くんの方に向き直して顔を見つめると
目をパチクリさせて不思議そうな顔をする。
「勝利くんってなんか、言ってくれないよね」
聡ちゃんとのこと全部
勝利くんがいたから成立したことが沢山ある、
カフェに連れていってくれたのもそう
家に来てくれたのもそう。
さっきみたいに勝利くんが言ってくれ
なかったら気づかなかったことも沢山ある。
周りで起きていること、
知らないフリして全部知っている
それを親切で私や聡ちゃんに
そっと教えてくれている気がした
これはただのカンだけど。
でも本当に大切なことは言ってくれて
無いのだけはわかる。
例えば、
彼自身の本心とか。
「最近勝利くんなんか我慢してない？」
そう聞いても目の前にいる人物の表情は
揺らぐことは無かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛兎(プロフ) - 続き気になります（ ; ; ）♡ (2022年2月23日 13時) (
レス) @page41 id: 7d4633685e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - ちなみに158cmは小柄じゃないけどね…165はでかいけどね… (2021年4月20日 23時) (レス) id: 35ab00be1e (このIDを非表示/違反報告)
かなう(プロフ) - 聡ちゃんがツンツンしてるの本当可愛いです、ありがとうございます(/_;)/~~ (2021年2月25日 16時) (レス) id: 355d367c1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほゆ | 作成日時：2021年2月18日 18時
