帰り道、雨よ降れ

となりの ページ1

お隣に住む聡ちゃんはみんなの人気者。

人懐っこくてニコニコしてて甘くて優しくて
ずっとずっと大好きな幼馴染だった。


歳なんてひとつしか変わらないのに

どこでもついて回って、
困らせても文句ひとつ言わなかった。



登下校も一緒だった。

出かける時もお互いに友達を交えて遊びすぎて
私の友達と聡ちゃんの友達が
仲良くなっちゃうくらいで、


あまりにもずっと一緒に居るからから周りにも
「いい加減、聡ちゃんから卒業したら？」
なんて言われてしまう始末だった。

それぐらい仲が良かった。

　


なんかあった時に私が1人でいると気づいて
そっと隣に来てくれて、

ちっぽけなことで落ち込む私が

「そーちゃん、頭撫でて」
って言うと


「しょうがないなあ」
なんて笑って頭を撫でてくれた。




‥なのに、

私が中2になったばかりの春

態度は急に一変した


あの時の甘さなんてどっかいっちゃって



聡ちゃんから話しかけてくれなくなった

話しかけても無愛想、他の人には笑うのに
わたしには笑いかけてくれなくなった

学校ではほとんど知らんぷり

呼び方もAからお前にかわって

登下校や遊ぶなんてもちろんもってのほかで。





理由を聞いても

「お前なんかに関係ない」
の一点張りで何もわからなかった。




訳がわかんなくて学校行った後家に帰るたび
1人で部屋でずっと泣いてた。


周りからも元気無いねなんて言われたりもした。


その度に、
「そんなことないよ」
なんて笑って返していたけど


2 週間くらい経って馬鹿みたいだな、なんて
思って泣くのはもうやめた。



なにが悪かったのかなんてわからないけど。



どうやら、

私のことが嫌いになってしまったらしい。


説明するにはそれだけで十分だった。






心の整理なんてつかないまま、


それは2年経っても変わらず

私は今日から聡ちゃんと同じ学校の高校生になる。



主人公:春田A

友達:長谷川奈緒(はせがわなお)

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