【ﾂｲｽﾃ】冥界からの魔物

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Leona Kingscholar side


無理矢理腕を引いて部屋まで連れてきたかと思えば、次はベッドに投げ捨てられた。


普段より荒く服を脱ぎ始めたAを見て、嘲るように口角を上げた。


「相当余裕が無かったみたいだなァ？」

『…だるい。』


夕食後に寛いでいたところを邪魔されたことに苛立ちはしたが、久々に見た余裕の無いAの顔と、その状態で自分を頼ってきたという事実によって一瞬で消し飛ばされてしまった。


自分も服を脱ぎ、適当に放る。


よたよたとベッドに上がり込んできたAに半分場所をあける。


珍しく、抱き締めるように寄ってきたのに応えて、自分も背中に腕を回した。

べたべたと引っ付かれるのは嫌いだが、元が人魚だからか、ひやりと冷たく感じるこいつの肌が触れる感触は悪くない。



背中に当たる指を動かすと、抉ったような跡がある。
塞がってはいるが、不自然な治り方をしたその傷をなぞる。

治した、の一言で治癒魔法だろうと察していたが、ここまで大きな傷だったとは。


暫くの間、傷口を探るように腕を添わせていたが、Aに目を塞がれたことで手が止まった。


『……寝ろ。』


うざったそうに低い声が響く。
白い指の間から、眉根を寄せて俺を睨む瞳が見えた。


孤独を嫌うが為の措置。
これがそんな甘っちょろい物じゃないことは分かっている。
それでも、案外この時間を気に入っていた。



「分かったから手、退かせ。」

俺が目を閉じて漸く、目元に置いた手を退けたAは、大きな溜息を吐き出して、脱力したように眠りについた。

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