futur (ページ7)

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(Ⅶ) ページ7

　

　

　

　

　

真っ先に向かった瑞稀の部屋もあの時のまま

　
　

でも、部屋に瑞稀の姿はない

　

　

　

　

　

　

　

　

まさかの予想は的中

　

　

　

屋上へあがるとあの時と同じように泣いてる瑞稀の姿が見えた

　

　

　

　

　

少し様子をみてみよう

　

　

　

なんて影に隠れて様子を伺っているとなんだかハッとしたように振り向く瑞稀

　

　

　

でも、すぐフェンスを見詰め手をかける彼

　

　

　

　

　

　

　

　

　

「瑞稀」

　

　

　

　

なんて背後から名前を呼んでフェンスに掛けられた彼手に自分の手を重ねると、カシャンと鳴るフェンスに

　

　

　

　

　

　

　

大きな目が更におっきくなって、
可愛い唇が半端に開いていて

　

　

　

　

　

　

　

　

　

「瑞稀、」

　

　

　

　

　

　

なんてもう一度彼の名前を呼ぶと口を変な形に歪め眉を八の字に下げ、お世話でも良い顔とは言えない彼の表情に頬の筋肉が緩んでしまって

　

　

　

　

　

何笑ってるんだって顔をするけど俺は凄く嬉しくて笑ってるんだよ

　
　

　

　

　

自分が生きてた事はもちろん、
再び瑞稀に会えた事ももちろん、

　

　

そして今はなにより、

　

　

　

　

当初はあれほど無愛想だった君が俺のためにこんな不細工な顔で、自惚れてなければこんなに嬉しそうに泣く君が

　

　

　

　

　

もっと、色んな君の表情を知りたいな

　

　

でも今日は、これだけ知れたから

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

　

また明日、また明後日、色んな君をこれから、

　

　

　

　 fin

　