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．
『北斗くん！』
わたしの腕を掴んだままどんどん歩いて行く北斗くん。
『ね、北斗くん？』
「黙って」
文化祭では使われてない教室に入ったと思えば
肩を掴まれて壁に押し付けられるし、
北斗くんの腕はわたしの顔の真横にあるし、
いわゆる壁ドン。
『北斗、くん？』
「お前なんで電話出ないの？」
『あ、ごめん
教室に忘れたのかも』
「店番終わっても戻ってこないし、
電話しても出ないし、
途中でジェシーと会ったら
お前の友達と2人で居るし。
Aは？って聞いたら樹って人と2人って言うし」
珍しく矢継ぎ早に話す北斗くん。
「俺、めちゃくちゃ探した」
『ごめん』
「俺にくっついてるくせに
なんでいつも急に居なくなんの？」
『えっと』
「あいつに、キスされた？」
『されてない』
「よかった」
ねえ、北斗くん？
さっきからどうしたの？
よくわからないよ。
「A、俺のこと好きじゃん」
『……はい？』
え、ちょっと待って？
え、なんで本人にバレてる？
「俺が何回キスしても抵抗しないし、」
『それは、』
「俺が好きだからでしょ？」
『ちが、』
「何が違うって？」
『北斗くん、いつも不意打ちで』
「今からキスするよ」
そう言えば宣言通り北斗くんの顔が近づいて来て
優しく唇が触れる。
「ほら、やっぱり」
わたしは何を試されてるんだろう。
だってわたしこんなにドキドキして、
なのにまた北斗くんはきっと
誰にでもするわけじゃないってだけで
この行為の意味を教えてくれないんでしょう？
そう思えば勝手に涙が目に溜まって行く。
ほんとやめてほしいよ。
北斗くんも、この涙も。
『でも、北斗くんは』
「うん」
『いつも何も言ってくれないから』
そう言えば北斗くんの手がわたしの頬を包んで、
何度も何度も深くちゅーをしてくる。
ほら、北斗くんばかりが大人だ。
わたしはまだ恥ずかしくて、キスとも言えない。
何度も何度も角度を変えたと思えば
やっと離れた唇は
「Aが好きだよ」
わたしが欲しかった言葉を紡ぐ。
「Aは？」
『わたしも、北斗くんが好き』
「付き合おっか」
『うん』
返事をすれば、またちゅーの雨が降り注ぐ。
ああ、わたし、
幸せ。
fin
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moco(プロフ) - やんやんさん» 二周もして頂きありがとうございます！そう言ってもらえると本当に嬉しいです！！ (2021年2月24日 0時) (
レス) id: d5158f0c68 (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - あいさん» 今更ですが。。たくさん読んで頂いてありがとうございます！とても嬉しいです(TT) (2021年2月24日 0時) (レス) id: d5158f0c68 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - 読むの2回目なのにキュンキュンして泣いちゃいましたー！笑笑ほんと好きすぎますこの物語(*^o^*) (2021年2月13日 18時) (レス) id: 50d0447a08 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 投票1回じゃ足りない。好きすぎて何回も何十回も読んじゃう三十路。 (2020年11月7日 23時) (レス) id: f554bba6ab (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - mmmさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(*'▽'*)今日更新したのでよかったら読んでいただけたら嬉しいです！！ (2020年10月16日 22時) (レス) id: 73fd84b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：moco | 作成日時：2020年8月23日 0時
