033 ページ33
．
．
お祭り当日。
待ち合わせよりも少し早く着いたのに、
そこにはすでに彼の姿。
『北斗くん』
待ち合わせ場所は会場からそんなに離れてなくて
まあまあな人混みなのに
まるで北斗くんしか見えないみたいに
一瞬で見つけられる。
わたしも北斗くんにとってそうだといいな、
なーんて！
「A」
そう思ってたら
バチっと目があって
北斗くんがこっちに向かって来る。
『ごめん、お待たせ』
「いや、」
ん？なんか不機嫌な顔？
『ごめん、そんな待たせたかな』
待ち合わせに遅れないようにと思ったけど
もっと早く来ればよかったな。
「なんで浴衣じゃないの？」
『え？北斗くんも私服じゃん』
「こういう時、女子って浴衣着るんじゃないの？」
『え、見たかった？』
「見たくねーよ！」
どっちよ！
でも、浴衣やっぱり着てくればよかったかな。
昔のしかなくて、
なんか古臭いかなと思って着て来なかったんだよね。
てゆか！
着れないよ、やっぱり！
だって、なんか、
気合入れすぎって思っちゃうじゃん！
『昔の浴衣しかなくてさ』
「あっそ」
『あ！じゃあさ、
来年北斗くん一緒に浴衣選んでよ！
それでまたお祭り行こうよ！』
「Aセンスなさそうだもんな」
『はい、ひどい』
「いいよ、」
『なにが？』
「お前が誘ったんだろ！
すぐ忘れんな！馬鹿かよ！」
ちょっと待って、罵りすぎじゃない？
え、ちょっと待って？
もしかして来年の約束成立？
『待って、本気で言ってる？』
「いいよって言ってんだろ！
何回言わせんだよ」
北斗くん、北斗くん、北斗くん！
今日のお祭りも終わってないのに
わたし今から楽しみだよ！来年のお祭り。
『あ、なんか食べる？』
「Aは？」
『え、言っていいの？
北斗くんわたしにギャップ萌えしちゃうかも』
「いや、逆に言ってみろよ」
『わたあめ食べたい』
「ごめん、全然萌えないわ」
『ねえ、ほんとに』
本当に本当に酷くて、でも
本当に本当に嬉しいみたい。
隣に居られることが。
『わっ』
「なにしてんの」
人混みがすごくてよろければ、
北斗くんに手を握られる。
「馬鹿だからはぐれちゃうでしょ」
はい、わたしの方がギャップに萌えました！
『あ、先輩』
そして、遠くには先輩が居た。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1613人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moco(プロフ) - やんやんさん» 二周もして頂きありがとうございます！そう言ってもらえると本当に嬉しいです！！ (2021年2月24日 0時) (
レス) id: d5158f0c68 (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - あいさん» 今更ですが。。たくさん読んで頂いてありがとうございます！とても嬉しいです(TT) (2021年2月24日 0時) (レス) id: d5158f0c68 (このIDを非表示/違反報告)
やんやん(プロフ) - 読むの2回目なのにキュンキュンして泣いちゃいましたー！笑笑ほんと好きすぎますこの物語(*^o^*) (2021年2月13日 18時) (レス) id: 50d0447a08 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 投票1回じゃ足りない。好きすぎて何回も何十回も読んじゃう三十路。 (2020年11月7日 23時) (レス) id: f554bba6ab (このIDを非表示/違反報告)
moco(プロフ) - mmmさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(*'▽'*)今日更新したのでよかったら読んでいただけたら嬉しいです！！ (2020年10月16日 22時) (レス) id: 73fd84b0f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：moco | 作成日時：2020年8月23日 0時
