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▽
「…Aちゃん、もう下校時刻過ぎちゃってる、」
「本当だ！
ぴぴ君、どうしよう？！先生に怒られちゃう！」
話に没頭してるうちに
辺りもすっかり暗くなってしまって、
もう下校時刻を知らせるチャイムもとっくに鳴ってしまってた。
私たちの学校では下校時刻までに校門を出ていなければ
正門に立つ先生にこっぴどく怒られる。
だからこそ、私は1段と焦っていた。
「…Aちゃん、こっち来て、」
そんな時
静かに、といった風に人差し指を口の前に当て
ちょっと…と手招きする、ぴぴ君。
何かと思って近づけば、
彼は私の方向を見ることなく目の前にある塀をひょいと上がり、
くるりと向きを変えて私を見下ろして
「脱出！」
そう言った。
イタズラっぽく笑って手を差し伸べる彼に、
今度はキュン、として。
その手にまた手を重ねれば、ゆっくりと抱え上げられて、距離が近くなって。
「なんか、ちょっぴりドキドキしちゃうね」
そうやって口に出してえへへ、と笑う、
そんな彼に、
" あぁ、好きだ "
こう、思った。
…案外わたしは、惚れ症なのかもしれない。
△
(あとがき)
初めて参加させて頂いた作品で、書くのが大変遅れてしまい
企画者しもゆーさん、含め他の参加された作者の皆様、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございませんでした。
楽しんで書かせて頂きました。
2017年も、皆様が良いお年を過ごせますように。
ありがとうございました。 Re.
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