Love disease【 P-P 】 ページ30
▽
｢…はぁ、っ｣
息が苦しい。
｢…っ、ふぅ、｣
息が、切れる。
周りは人なんぞいないくらいには静かだ
聞こえるのはカラスの鳴き声、風の音、
それだけ。
｢………う、ぁ、…ひっく｣
息を殺して泣く。
フラれてしまった。ずっと思い焦がれていたアイツに、拒否されてしまった。
そのままの勢いでつい走ってきたせいで、胸の苦しさが倍増している。
私は胸を抑えた
＿＿＿" お前とはいつまでも友だちだから "
そんな言葉が頭の中でぐるぐるとリピート再生される。
そんなこと、言うなら
…じゃあ、最初から、
" 俺Aのそういうとこ好きだわー "
とか、
" Aはそのままでいいんだよ "
とか。
そういう思わせぶりなこと、言わないでよ。
｢もう、…やだ｣
…不甲斐ないけど、
まだ諦めきれない気持ちもあって
まだ友だちから始められるかも、って、
そういう期待もあって
でもそれは過剰だ、なんて思う自分もあって。
…フラれてるから、って
再認識して。
じわりと涙がまたこみ上げてきて顔をうつ伏せた。
.
.
｢……………あの、大丈夫…ですか？｣
ふと、上から降ってくるような程よい声。
｢…へ、？｣
泣き腫らし熱をもった目でそちらの方を見れば
爽やかな短髪にした、メガネの男の子が
私を心配しているように、おずおずと私を覗き込んでいた。
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