( あとがき ) ページ29
△
Aは少し目を伏せると、自身の右手に置かれた俺の手を握り返して、こう言った。
「ごめんね、知ってた」
キヨ「……え？」
「レトから聞いてた。ごめんね、ずっと黙ってて」
Aは本当に申し訳なさそうに謝る。
知ってた。
ということは、今まで俺の気持ちを知った上で共に過ごしていた？
嗚呼、そうか。
俺には最初から勝機なんてなかったんだ。
俺の手を恋人つなぎのように握って。
Aは俺に語りかけてくる。
俺の好きな、Aの、芯のある、でも甘い声。
まるで、毒のようだ。
「でも、ありがとう」
キヨ「……っ」
「これからも、よろしくね」
それはまるで、付き合うことになったカップルのようなセリフで。
でも実際そうではない事実が、なにより辛かった。
でも、俺にはこう言うしか選択肢がない。
キヨ「…もちろん」
「…よかった」
Aは握っていた俺の手をするり、と離し、自分のココアを持ってキッチンを出た。
俺は脱力してその場にうずくまり、声にならない嗚咽を漏らして、泣いた。
手にはAの温もりが、寂しそうに残っていた。
＊ あとがき ＊
どうも、*と申します。
この度初めてコラボ企画に参加させていただきました！
お声がけくださったしもゆーさんに感謝です◎
今回初めて切恋を書きました…！
ひたすらヨーキーが可哀想なことになってる切恋です。
ヨーキーが好きだからいじめたくなってしまう()
コラボ企画なんて初めてだったし、書いててとても楽しかったです！
またこういった企画に参加できればなぁって思います(*＾-＾*)
最後になりますが、ここまで読んでくださったA様、企画参加を快く許してくださったしもゆー様、同じく企画参加していらっしゃる皆様方、本当にありがとうございました！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
