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▽
抜かされたり後ろから押されたりすることはなく、
順調に私たちの番が近づいてくる
ゾム「お参り終わったら福みくじのとこ集合な」
「え、何で？」
ゾム「A願い事長いから俺待っとくの邪魔やろ」
「確かに・・・」
迷わず来れるか？なんて意地悪い顔で言われて顔をしかめる
大丈夫ですぅ〜！と言い返したら私たちの番が来た
「(願い事は・・・)」
チラりと隣を見ると見慣れた横顔が真面目に手を合わせる姿があった
あまり見ないその表情にカッコいいなぁ、なんて思ってたらパッと目が開いた
慌てて前を向いて手を合わせて頭を下げる
「お待たせ！」
ゾム「おう。・・・ん。」
おみくじのところに既に並んでいたゾムの隣に並ぶと、左手を出された
訳が分からずに首を傾げて見せると、耳を赤くした彼は手をポケットに突っ込んだ
・・・あ、と気付いて私も同じポケットに右手を入れた
ポケットの中でぎゅっと掴まれて、恋人つなぎに繋がれる
「まさかゾムからしてくれると思わなかったなぁ〜」
ゾム「やかましいわ。」
そっぽ向きながら悪態をつくゾムはまたあの仕草をしていて。
いつまでもニヤける私に軽くデコピンをしてきた
「ねぇ、ゾムは願い事何にしたの？」
ゾム「せめて有休がとれますように」
「社畜ニキお疲れ様です」
ゾム「・・・ま、嘘やけどな」
「えぇ？じゃあ本当は？」
私が尋ねるとゾムはニヤっと笑った後、少し屈んで耳元に口を寄せた
ゾム「Aと一緒やで」
「っ！！」
赤くなった私の顔を見て満足げに笑う
私の願い事と一緒、それはつまり――――
今年も、来年もその先もずっと彼と一緒に居られますように。
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