＊ ページ12
▽
「･･･私さ、ずっとコネのこと好きだったんだ。
でもさ、コネに好きな人いるの知ってたし、相談してくれた時期もあって。
だから、言った所で･･･って感じだったんだよね。」
静かな空間に私の声が響く。
のんびりと寝言が聞こえてくるあたり、ぐっすり眠っているんだろう。
だから少しだけ安心して言葉を続ける。
「だからさ、もう、『私の好きな人』じゃなくて『私の好きだった人』になって？
･･･早く告白して結ばれちゃいな。
それまではさ、『好きな人』だけど『好きだった人』になって。
いつかはさ、『友達』とか『親友』になれると思うから。」
最後の言葉だ、そう思って息を思いきり吸い込む。
「･･･＿＿また、会うときはもう『友達』ね？
そうじゃなきゃ許さないから。」
そう告げた後は書き置きを残してから家を出た。
普通なら悲しかったり、泣いちゃったりするけど今の気持ちはずっと清々しい。
自分の気持ちに区切りをつけられたみたいで。
そんな気持ちのまま飛行機を待って、帰る。
スマホを除きながら小さく笑う。
「あの仕掛け、気づいたかな」
『コネへ
あまりにもぐっすり眠っていて起こすのが可哀想だったので書き置きを残しました。
今回はもう帰るけど、次はお盆かGWにまた来ます。
そのときにはもう＊＠終わっていることを願ってはいるけど･･･
まあ、その話は置いておいて。
次会えるときを楽しみにしています。
P.S.
スマホは、ロックをかけておいた方がいいと思います。』
lineには『メモ』って送ったし、＊＠の部分はそこにネタばらししてある。
そこで思い浮かぶ反応でおもわず笑いをこらえた。
【ネタばらし
＊→つげる
＠→しろ
ヒントは漢字！】
ちょっとふざけすぎたけど反応が楽しみ。
もう、『好きな人』じゃない。
もっともっと時間がかかると思っていたけど、いつの間にか、もう『友達』に戻っていたみたい。
「＿＿長かったなぁ･･･私の初恋」
後悔はしてないし、悔しくもない。
私の初恋は、いつの間にか幕を閉じていた。
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