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『私、行ってくるわね、ヒナはここで待ってて』
ﾋﾅ「A様…」
一度ここに入ってしまったら、もう二度と帰れないような気がしてならない
私の脳内には今、危険だと知らせる音があちこちで響いている
しかし、私の夫となるお方が一体どれだけの人なのか、この目で確認しなくてはならない
私は部屋の中に足を踏み入れる
どうか帰ってこれますように…
そう祈った時、ガシャンと背後の襖が閉まった音が聞こえた
「やあやあ！俺は万世極楽教の教祖だ！座りたまえ！」
青白い肌
よくわからないけどキラキラと光って見える瞳
八の字に垂れた眉
本当に笑っているのかわからない薄気味悪い笑顔
とても胡散臭い
嘘っぽい
他の信者にも同じような笑顔を向けているのだろうか
あぁ、この人は女にだらしない人だ、きっと。
私の…
「さてさて、きみの悩みを聞こうか。話してごらん」
えっと、特に悩みはないし、そもそも偵察に来ただけであって…
強いて言うなら
『私はまだ結婚したくありません』
まだ、というか、あなたと
「おや？」
『縁談があるそうなのです。私は誰かも分からない、どんな人なのかも分からない、そんな人と結婚したくありません。私は野を駆け回るのか好きです、まだ…自由を奪われたくない…』
掃除に洗濯、料理、育児
自由を奪われた、未来の私を想像して胸が苦しくなった
「そうかそうか…可哀想に…」
顔を上げる
私は自分の目を疑った
教祖の光り輝く瞳から、涙が流れていたから。
偽りの涙だ。ただそう思った
「本当に可哀想だ…そうだ！きみもここで暮らしたらいい！」
『え、』
「ここは極楽だよ。きみもここで暮らせばいい。家に帰る必要はない！そうだ、そうしよう！」
…いやいやいやいや！
違う違う！私はあなたと結婚するのが嫌だし、一緒に過ごすのが嫌なんだってば
『遠慮いたします…』
「いや！良い良い！遠慮しなくて良い！ここは寺院だ。部屋はいくらでもある！」
地雷。
部屋たくさんあるから他の信者もいるってことかな？
尚更滞在したくない
『結構です！私は帰ります！』
私は素早く立って扉の方へ向かう
「そう急ぐでない」
『っ…』
背後にいたはずの教祖が目の前にいる
一瞬だった
ありえない
この人は一体何者なんだろう
ドクン
心臓が脈打つ気がしたが、私は気づかないふりをした
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レイ(プロフ) - 羅刹さん» きゃー！大変申し訳ないです（汗）直しますのでページを教えていただいてもいいですか(＞＜) (2020年2月11日 21時) (
レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
羅刹(プロフ) - レイさん» とても楽しく読ませてもらっています！だけど途中出てくるサヤって何ですか？そこだけ気になります！ (2020年2月11日 16時) (レス) id: b3f37caf6d (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» いつもコメントありがとうございます（泣）七七四さんの想像、わりといい線いってますよ〜！確実に言えるのは、バッドエンドではないです（笑）今ちょうど、最終話まで突っ走ろうと奮闘していますので、またちょくちょくコメントいただけると喜んじゃいます…（滝涙） (2020年2月6日 21時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
七七四(プロフ) - このお話と弍と、星が赤くなるのを祈ってます(^o^)。何度押しても一回だけしか反映されないのがもどかしいです笑。因みに想像と言っても『幸せな結末かな？しあわせつないかも。おぞましあわせつないもあり得る！』な漠然とした想像しかできません。笑 (2020年2月6日 20時) (レス) id: 14bdff1be1 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» わあん！ありがとうございます（ ; ; ）本当に嬉しいです、、私は逆に七七四さんの想像が気になります（笑）婚約教祖の考察係ですかね？（大袈裟）だいぶ下書きも進んでおりますので、更新を絶やさないように頑張りますね〜！七七四さんもお身体にはお気をつけて！ (2020年1月29日 21時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2020年1月2日 23時
