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「Aは俺のことが好き?」
…好きだ
今まで口にはできなかったし、自分でも認めてこなかった
けど、これは間違いなく恋だ
私は童磨が好きなんだ…
「どうだい?Aの気持ちを教えておくれ」
『私、教祖様のことが好きです。お慕いしております』
やっとだ。やっと言えた
胸につかえていたものがなくなった気がした
けど
『だけど「相手に無しにしてほしいと言わせれば良いのだろう?」
『そう、ですが』
「なら俺と一緒に行こう。寺院に来るしかない」
『え?』
顔を見上げる
童磨と目が合う
「嫌だと言っても俺はきみを連れ去る」
『なん、で』
この気持ちに蓋をしたかったのに
どうして蓋をさせてくれないのですか
瞳が湿っていくのがわかった
お願い、どうか私を______
離して。捨てて欲しい
「俺もきみのことが好きだから」
もう一度強く私を抱きしめる童磨
瞬間、張り詰めていた糸が切れたように、私の目から涙が溢れ出た
私が聞きたかった言葉だ
どうしても離してくれないのですね、あなたは。
笑ってしまう
信じて、ついていっても良いのだろうか
私はこの気持ちに嘘をつかなくていいのだろうか
「泣かないでおくれ。言っただろう?俺はきみの笑った顔が好きだと」
ヨシヨシと背中を撫でる童磨
心地よい
決心をしようと、童磨の胸の中で深呼吸をする
『私…やはりあなたのことが好きです。だから…あなたについて行きます』
きっと、きっとこれで良い
進んだ道が間違っていても、私は童磨と一緒なら平気だ
「よかった。さあ、A、行こう」
『はい』
「その前に、これを忘れてはいけないよ」
童磨はさっき私が押し付けた簪を髪に挿してくれる
うん!綺麗だ!そう言って私の手を引っ張る
その時フワリと、人の血の匂いがした気がした
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レイ(プロフ) - 羅刹さん» きゃー!大変申し訳ないです(汗)直しますのでページを教えていただいてもいいですか(><) (2020年2月11日 21時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
羅刹(プロフ) - レイさん» とても楽しく読ませてもらっています!だけど途中出てくるサヤって何ですか?そこだけ気になります! (2020年2月11日 16時) (レス) id: b3f37caf6d (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» いつもコメントありがとうございます(泣)七七四さんの想像、わりといい線いってますよ〜!確実に言えるのは、バッドエンドではないです(笑)今ちょうど、最終話まで突っ走ろうと奮闘していますので、またちょくちょくコメントいただけると喜んじゃいます…(滝涙) (2020年2月6日 21時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
七七四(プロフ) - このお話と弍と、星が赤くなるのを祈ってます(^o^)。何度押しても一回だけしか反映されないのがもどかしいです笑。因みに想像と言っても『幸せな結末かな?しあわせつないかも。おぞましあわせつないもあり得る!』な漠然とした想像しかできません。笑 (2020年2月6日 20時) (レス) id: 14bdff1be1 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 七七四さん» わあん!ありがとうございます( ; ; )本当に嬉しいです、、私は逆に七七四さんの想像が気になります(笑)婚約教祖の考察係ですかね?(大袈裟)だいぶ下書きも進んでおりますので、更新を絶やさないように頑張りますね〜!七七四さんもお身体にはお気をつけて! (2020年1月29日 21時) (レス) id: 7b17ba10dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2020年1月2日 23時