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家に着くと、インターホンを押すよりも先にレトさんが出てきた。





頬には、まだ涙の跡がある。



「ッ、キヨくん…」









ああ、





お願いだから、









そんな声で俺の名前を呼ばないで。









またレトさんを求めてしまいそうになるから。




「……話って、何」



敢えて素っ気ない態度を取って、再び溢れそうになる涙を
ぐっと堪えた。



「ん…とりあえず、なか、入って……」




中に入ると、俺はソファに座り、レトさんは冷蔵庫から
小さな箱を持ってきた。









「……なあ、キヨくん、話なんやけど…」









来た。






遂にこの時が。






大丈夫。覚悟はできてるつもり。









「この箱、開けてみ?」




と、持っていた箱を差し出された。





予想してた言葉と違い、何だろうと恐る恐る箱の蓋を持ち上げる。







中を見た瞬間、目を見開いた。







「何、これ……」









入っていたのは、小さなケーキ。




上に飾られているチョコレートには

《キヨくん誕生日おめでとう》

と書かれている。







「今日、キヨくんの誕生日やろ?

せやから、作ってみたんや」









ああ、そうか。








すっかり忘れてた。






今日、俺の誕生日か。









「……キヨくん、俺に愛想つかしたんやろ?


俺がいつも素直になれんから。


だから出て行ったんやろ?

だからせめて最後に、これだけは伝えたくて……」




レトさんは悲しい顔で笑った。







違う。



俺がレトさんに愛想をつかすはずがない。




「そんなわけないじゃん…



俺は、今でもレトさんのこと大好きだよ…


レトさんこそ…俺に愛想つかしたんじゃないの、?


だから、女の人と一緒にいたんじゃないの?」




「そんなわけないやろ…!


俺だってキヨくんのこと大好きやわ…!

俺が女の人といたのは、ケーキの作り方とか、
知り合いに色々教えて貰ったり、練習したりしてたからや……」






練習…?



だから甘い香りまとって帰ってきたり、

夜遅かったりしたの?





予想外すぎる展開に、開いた口がふさがらない。




おーい、聞いてるかー、と目の前でレトさんが手を振るが

俺の視界に入ってこなかった。




「ッじゃあ、レトさんは俺のことまだ好きなの……?」



「っ…、当たり前や!

俺はずっとキヨくんのこと好きやで!」



「〜っ!レトさん!」

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メス🔪 - めっちゃ良かったです!! (3月7日 22時) (レス) @page12 id: 6edea0a691 (このIDを非表示/違反報告)
トーマス - ふふ (2019年4月2日 14時) (レス) id: a2627971ed (このIDを非表示/違反報告)
- うどんさん» 楽しみにしていただき、ありがとうございます!応援もありがとうございます! (2018年4月14日 21時) (レス) id: 22ee2fe3aa (このIDを非表示/違反報告)
うどん - 毎日更新まだかなって楽しみにしてます!好きです!()これからも応援してます!頑張ってください! (2018年4月13日 21時) (レス) id: c1f9dc3830 (このIDを非表示/違反報告)
- 突然現れた俺さん» ありがとうございますwww (2018年4月10日 22時) (レス) id: 22ee2fe3aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年3月26日 18時

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