キヨレトの話。

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「ただいまぁー」


あ、レトさん帰ってきた。



おかえり、と返事するとキヨくーんと抱きついてくる。


あの甘ったるい香りがまた鼻を掠める。

本当はレトさんと一緒にご飯食べたかったけど
あんなに甘い匂いがするレトさんを目の前にして会話なんて、
気が散って出来そうにない。


「…ご飯、作ってあるから先食べてて。
……風呂入ってくるわ。」


「うん！」


ご飯のある方に向かうレトさんを横目に、俺は風呂に向かう。


なんでいつもあの匂いなんだよ

俺、あんな匂い全然好きじゃねえし。


俺はレトさんのいつもの匂いが好きなのに……！









やっぱりレトさん、浮気とかしてんのかな。


もう俺の事好きじゃないのかな。



俺はまだレトさんのこと好きなのに。



相手は女の人かな、あの匂い的に。







風呂から出ると、嬉しそう目でレトさんが駆け寄ってきた。


「キヨくんありがとな！
カニクリームコロッケ、めっちゃ美味しかったで！」

「ありがとう」

レトさんの頭を撫でながら、まあ俺は天才だからね。
などと冗談言うと、それはないと笑ってくれた。


「……俺、もう疲れたから先に寝るわ。おやすみ、レトさん」


「うん！おやすみ〜」

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