あなたの隣で。2

86. ページ36

.


" 夕食の準備開始します！！ "

という先生の合図と共に
生徒たちは一斉に参考書を閉じ
ガタガタと椅子を鳴らしながら立ち上がる。

.

わたしたち4人も『行こっか』と声を揃えて
立ち上がる。


今から合宿恒例の 夕食作りが始まる。

.

毎年この合宿では 夕食は自分たちで作る という
謎のルールが設けられている。

2年生になって合宿に初めて参加したわたしたちと
3年生になってようやく合宿に参加した蓮は
この夕食作りが楽しみで仕方無かった。

.

炊事場に行くと それぞれグループごとに
役割分担が書かれていた。

━━━━━━━━━━━━━━━

・西川A … 野菜
・川尻蓮 … 野菜
・笹川小春 … 肉
・伊藤祐希 … 肉

━━━━━━━━━━━━━━━

.

小『は？あたしらが肉みたいな言い方すんな』

蓮『小春ちゃん、俺とAは野菜やけん笑』

小『まだ野菜の方が良くない？』

祐『俺らを豚みたいに言いやがって』

『いや祐希に至っては被害妄想だから、笑』


意味のわからないキレ方をする小春と祐希は
肉を切る、という役割を任されていて

一方の『野菜』と書かれている私と蓮は
野菜を切る役割を任されている。

.

それぞれ材料を取りに行き、わたしと蓮は
野菜を切り始める。


『ねえ、蓮の手際良くない？』

蓮『そう？笑』

『普段から料理しよると？』

蓮『うーん、ちょっとね、ちょっと、笑』

トントントン、とリズムよく
野菜を切っていく蓮を見て
『 何が"ちょっと"だよ、』と思いながら
わたしもゆっくり野菜を切り始める。

.

わたしたちの隣で肉を切っていた小春と祐希は
小春が肉を顔の横に持ってきて

小『どっちが肉でしょうか！』
祐『こっち、』
小『いやそれ小春！！！！』
祐『ええっ！！！』

と意味のわからない会話を交わしていて
蓮はそれを聞いてキュイキュイ笑っている。

.

.


そんな茶番がしばらく続き
切り終わった肉と野菜を鍋に入れて
鍋担当とやらにあとを任せる。

.

.

すると隣で ぐうぅ、っとお腹の鳴る音が聞こえ
チラッと隣を見ると 『やばっ、』とお腹を抑える蓮

蓮『お腹が…すいてしまいました……笑』

そう言って恥ずかしそうに笑う蓮の隣に座り
わたしたち4人はゆっくりと カレーが出来上がるのを待った。


---

作者です！

お久しぶりです！！気付けば以前の更新から2ヶ月…

これからはどんどん更新していきますので
よろしくお願いします ^^


as


---

87.→←85.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す