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" あの日 " から毎日 蓮が家に来ている。
母は「蓮くんが来たよ」というが
自分の彼氏ですら 存在を拒んでしまうほど
わたしは男の人が苦手になってしまっていた。
けど、それでも毎日来てくれる蓮の熱意に
わたしもそろそろ心を開かなければ、と決心をした。
そしてもう1つ、自分の中で決めたことがあった。
それは、蓮に別れを告げること。
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蓮と付き合ったから こうなってしまった、
だから 男性が怖い自分から逃げたくて、
蓮にもこんな男性を怖がるわたしより
蓮を笑わせてくれる女の人と付き合って欲しくて、
自分からの逃げと 蓮のことを想っての結論だった。
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コンコン、とドアをノックする音が聞こえ
蓮が部屋に入ってくる。
『A……』と言い、真正面に座る蓮
真正面に座られるだけでも
あの日の光景がフラッシュバックして
『真正面に座らないで』
と冷たく投げ捨てるように言葉を吐いた。
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わたしだったら " 何なの… " と思うところを
蓮は『ごめんね、』と小さく呟き、
蓮『これなら大丈夫?』
とわたしの隣に間隔を開けて座る。
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沈黙が流れ、わたしは遂に決心を固め口を開く
『 別れて欲しいの。』
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数日前まであんなに楽しく旅行に行って
事件があってからも毎日のように家に来てくれて
そんな蓮の優しさと思い出を踏みにじるように出た
" 別れ " という結論はあまりにも残酷だった。
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蓮『別れたくない…。Aが大丈夫になるまで
どれだけかかってもいいけん、一緒におりたい。』
蓮からは " 一緒にいたい " という言葉。
『けど、わたし蓮のことですら怖いんよ?』
蓮『それはわかっとる』
『もうきっと普通に手も繋げんしハグも出来んし
それ以上のことなんてもっと出来ん』
蓮『うん、』
『蓮はそれでいいと…?』
蓮『手が繋ぎたくて、ハグがしたくて、それ以上の事がしたくて付き合ったんじゃないんよ、
やけんそのままでいいんよ、今の関係でおりたいんよ』
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本当なら 別れようという言葉に
わかった、と返されると思っていた。
今日、わたしたちの関係は終わるはずだった。
けど蓮は違っていて
こんなわたしに真摯に向き合ってくれた。
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だからこそ 蓮に徐々に心が開いていって
気付けば蓮の手の上に 自分の手を重ねていた。
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^^(プロフ) - コメント失礼致します!お話最高です🤦♀️続き待ってます (2022年6月16日 7時) (レス) @page37 id: feebfdcf28 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅるぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!久々の更新めちゃくちゃ嬉しいです!大変だとは思いますが作者様のペースで頑張ってください! (2021年9月3日 23時) (レス) id: f73fdc9b1f (このIDを非表示/違反報告)
さもん(プロフ) - このお話大好きで前作から読ませていただいてます^^ 蓮くんっぽい…!更新楽しみにしてます! (2021年7月6日 22時) (レス) id: 7afefd35cd (このIDを非表示/違反報告)
萌萌 - 続編おめでとうございます!一話からもどかしさに悶え散らかしながら一気に読ませていただきました……博多弁の蓮くんが最高すぎます;;今後も更新楽しみにしています!! (2021年6月5日 22時) (レス) id: 474e5b913e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:as | 作成日時:2021年6月3日 21時