きっと叶わないから ページ33
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ちょっとだけ自信をなくした。
本当に些細なことだったけど自分の主演舞台が決まって不安な気持ちとか、今日のレッスンが上手くいかなかったとか、
本当に小さいことの積み重ねだけど嫌になった。
でも俺は歴が長いから上手く甘えるのが苦手で
みんなよりも少し早く稽古場を後にして壁を背にしてししゃがみこんで頭を抱えてた。
「星輝」
大好きな声に上をむくと、困った顔をして笑うA。
「泣いてるの？」
って気づかないうちに出てた涙を細い指で拭ってくれる。
でも、泣いてる理由をいうのは少し恥ずかしくて、黙り込んじゃう俺。
泣いて何も言わず泣き続けるのなんて小さい子みたいで恥ずかしいけどそれでもなんか今日はダメだった。
「泣いていいんだよ、泣いた分だけ強くなる、ね？」
「大丈夫、大丈夫」って頭を撫でて抱きしめてくれるAに
やっぱり俺からしたら頼れる強いお姉ちゃんなんだよなって。
やっぱり、俺は弟のままで心が少し傷んだ。
「我慢しなくていいんだよ、星輝はさいっつも頑張ってるよ」
「もっとわがまま言ってもいいと思うけどな」
っていつもそうだ。自分は弱みを見せようとしないのに人の感情には敏感で俺が落ち込んでたら1番に助けてくれる。
そこを好きになったんだから。
「Aはさ、俺のこと好き？」
そう聞けば笑顔で「当たり前じゃん、だいすきだよ」って
また勝手に傷ついた。
きっとその好きはメンバーいや弟としてで恋愛感情はひとつも含まれてないだろうから。
俺もAの同級生、いや歳上だったら特別になれた？？
でも結局そんなことを考えても変われないからだから
今日もせめて弟の様に縋り付くしかないんだ。
泣き終わったあとに、
「星輝が元気ないとA悲しいから、笑って？」
あぁ、やっぱり好きなんだよな。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年2月5日 3時
