だれのもーん？ (ページ19)

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｢スプパラ楽しいんだっ、でもね？

怖いの、ずっと、Aのこと応援してくれてるファンの方もいること分かってるのに、、

不安なのッ、A何にもできないからっ、…

自分が傷つくことがこわいのっ、、

客席降りの前になるとすっごく不安になってねっ、そんなこと思っちゃいけないのに、、

どうしても昔を思い出しちゃうの…私アイドル失格だね、笑｣

泣きながら詰まりながら話してくれたAがいつもより小さく見えて、頭の片隅にあったAが女の子だからと泣く姿が少しフラッシュバックした。

｢そんなことない、、絶対ないから！Aはちゃんとアイドルできてるよ？｣

真剣に目を見て伝えると、ポロポロとさっきより涙が溢れ出す。

｢こわいの、こわい、どうしようもない不安にかられるのっ｣

正直、悔しかった。

1人でも心の底から楽しいって思わせられなかった子がいることが、
でもどうにかしてこの子が心の底から楽しいって思わせてあげたいと思った。

｢Aはさ、俺はすっごい頑張ってくれてるのわかるよ？

いっつもキラキラの笑顔でファンの方のこと笑顔にさせてるしさ、Aが居たら俺らも笑顔になれるの、

1人のお仕事の時の休憩時間もダンスと歌の練習してるってのもマネージャーから聞いたよ？

だからAが何もできてないことなんてないんだよ？｣

｢俺さ、Aのファンの子いっぱい見つけたよ？しかもさ俺の事見てくれないんだよ？笑

ずっとAの方見ててさ、でもそれってすっげえなって思う。

そのくらいAに魅力があるってことじゃん？｣

俺の気持ちができる限り伝わるようにAの肩に手を置いて真っ直ぐ伝えると、さっきより少し表情が和らいだ気がした。

｢明日も怖くなるかもしれない、でもその時はさ、ちゃんと伝えて？

1人で悩んで、泣かれる方が俺は悲しい、みんなもね？

だからさ明日はもうちょっと肩の力抜いて一緒に楽しも？

てか俺達が楽しませるから。｣

もうこの子には十分伝わった気がした。

もしかしたら、明日また怖くなるかもしれない、

でもその時は俺たちが寄り添ってあげようって、

21人でならこの子の悩みも消してあげれるそんな気がした。

｢よし、明日も2公演あるから寝よっか｣

一緒の布団に入って、明日はこの子が心の底から楽しめますようにと、Aの手を握って、Aが寝たことを確認してから俺も目を閉じた。

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