情報は集める派?聞き流してく派? ページ7
*柴崎Side*
「じゃあ、私は業務があるから。なにかあったら来てね」
「了解です」
私は桂木Aと名乗った少女と別れて業務に戻った。
それにしてもあの子…なんであんなに情報を…
情報通が売りの私としては気になるわね。それに、笠原とかはともかく私は情報知られるような弱いセキュリティ敷いてないし。
でも、良化特務機関のスパイ…とは考えにくいかな。中学生くらいだったし。まあなんにしろ、何気なく監視したほうがよさそうね。
適当なところでパソコン処理を終えて、桂木Aが入っていった小説棚へと向かった。少し離れた位置から図書整理をするように手を動かしながら。
桂木Aを発見したのは中澤毬江だった。
ちょくちょく小牧教官と話しているところなどをみかけていたし、補聴器にも気づいていた。一般開架室の奥にうつ伏せで倒れている少女は、私より身長が高かったので、毬江ちゃんに頼んで小牧を呼んでもらい、二人でなんとか邪魔にならない位置まで少女を移動させたのだ。
大きめの鞄を提げていた少女はなかなか起きなかったため、鞄の中を失敬した。スマホとパソコン。どちらかを調べれば素性はわかるだろうが、ただ倒れていただけの少女だ。起きてから話を聞けばいいだろうと判断してそのまま鞄を閉じた。
少女を小牧教官におぶってもらい、空き部屋に運び毬江ちゃんを帰した。私は少女のためにココアを入れに出て、トイレ休憩の笠原に会った。ココアを入れて部屋に戻ると小牧教官が爆笑していて…という次第である。
そして今、その少女はたくさん並ぶ本を見て幸せそうに片っ端から手にとっている。
…これで、完全にスパイの可能性は消えたな。
ただでさえ本の扱いにかなり近い業務部だ。良化法による検閲で、良化隊の本に対する扱いの悪さは知っている。あの子の本への扱いはとても真摯で、丁寧だ。
これなら変な行動もしなさそうね。
そう考えて、また受付のパソコン業務に戻った。
そうして数時間。いつも通りの業務を終え、閉館を示す放送がかかった。
「ごめん、体調よくないから、先失礼するわねー。お疲れ様」
「りょうかーい。大事にしなさいよー」
「おつかれー」
図書館業務員通用口付近で待っていた桂木Aを連れ、私はメールの指示にあった場所へと歩き出した。
―――――
弟がインフルエンザなう。
ラッキーカラー
あずきいろ
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kaka(プロフ) - あやかさん» うんうんw逃避したいww (2013年3月28日 20時) (携帯から) (レス) id: c205dda114 (このIDを非表示/違反報告)
kaka(プロフ) - 銀さん» コメありがとうございます!がんばらさせて頂きますw (2013年3月28日 20時) (携帯から) (レス) id: c205dda114 (このIDを非表示/違反報告)
銀(プロフ) - はじめまして〜♪kakaさんの小説めっちゃ面白いですね!これからも頑張ってください! (2013年3月27日 18時) (レス) id: 9001ea0928 (このIDを非表示/違反報告)
kaka(プロフ) - あやかさん» wwうちはまだ数年、勉強しまくらなあかん〜…主ちゃんマジ憧れるw (2013年3月27日 8時) (携帯から) (レス) id: c205dda114 (このIDを非表示/違反報告)
kaka(プロフ) - あやかさん» 激しく同意ww全くだ、小説で勉強が身につけばいいのに← (2013年3月23日 16時) (携帯から) (レス) id: c205dda114 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kaka | 作成日時:2013年1月11日 19時