夢を掴め (ページ3)

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今、僕の目の前に広がっているのは101個の椅子で作られた大きなピラミッド。

そのピラミッドの頂点を見ると椅子に『1』と書かれてあって、どの椅子よりも一際輝いて見えた。

1年前まで韓国でアイドルをしていた僕だけど、事務所とのすれ違いが生じて事務所をやめて母の生まれ故郷である日本で暮らしていた。

最初は出る気のなかったこの番組だけど、たまに活動期間が被り仲良くなったHALOのヒョンたちに「一緒に出ない？」と声をかけられたので出ることに。

きっと、いや絶対これが僕にとって最後のチャンスになると思うから、どうにかして結果を残さなくちゃ…。

ヨ「A、眉間にシワが寄ってますよ。もうカッコイイ顔してるのに台無しだよお。ああ、もっと笑ってよ～。」

ヒ「ヨンフンさん、僕のAを口説かないで下さい。Aは僕のものなんですからね。」

ユ「いやいやいや、何言ってるんですか。Aは僕のですよ。ねえ？A。僕が一番好きだもんね？」

「…ヒョンたち、この少しの間で日本語上手くなりましたね。」

「そういうことじゃないって！」なんてプンスカしているヒョンたち。

ヒョンたちと出演することになってからの数ヵ月間、母の影響で小さい頃から日本語に触れていた僕が必死に日本語を教えてあげたから凄く上手くなったと思う。

ヒチョンヒョンなんて「口説かないで」なんてどこで覚えるの？なんていう謎の日本語覚えてるし。

実際、ずっと日本で暮らしている人たちよりかは知識は全然少ないけど、ヒョンたちの役に立てならそれでいいかなって思う。

ピラミッドの空いていた席にヒョンたちと横並びに座りキョロキョロ辺りを見渡していると隣の男の子とバッチリ目があった。

キレ長の目をしていて、どことなくセブチのウォヌ先輩に似ている方。

金城「えっと、僕の顔に何かついてますか？」

「あ、ごめんなさい！綺麗な目してるなあって思ってつい…ほんとごめんなさい…。」

金城「あ、全然怒ってないんでそんな謝らないでください！えっと、四宮さんは何歳ですか？」

「僕、00生まれの19です。金城さんは？」

金城「僕も同い年です。じゃあ、タメにしません？あと、下の名前の方が仲良くなれそうやからそっちで呼んで！」

「碧海ね、了解！僕も下の名前で呼んで～！」

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