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「戻るの早かったね?ふっかに手伝ってもらった?」
デスクへと戻るや否や鋭い声が響く。
「あ、はい…。手伝ってもらいました…すみません。阿部さんに頼まれたのに結局1人で終えれなくて……」
阿部さんははあ、と大きいため息を零す。
「俺はさ、Aさんに1人でできるようになって欲しいの。」
わかるよね?とまるで小学生を叱る先生のような声色で言葉を紡ぐ阿部さん。
「すみません…」
「謝って欲しいんじゃなくて……あー、えーっと」
後ろ手に頭を搔いたあと、ごめん。と漏らす阿部さん。
「俺はさ、入社当初からずっとAさんの教育係をやってるわけよ?教育係としてはさ、やっぱ1人前になって欲しいわけで……」
苦しい。迷惑をかけてしまっている。
阿部さんは心配してくれているのだ。
「頑張ります!阿部さんに迷惑をかけないように、早く1人で全部できるようにします!」
手が震えてしまう。頑張らなきゃ。ふっかに励ましてもらったんだ。出来る子にならなきゃ。
「いや、あー。まあ、うん、今は作業の邪魔になるね。遅くなり過ぎないように頑張って」
そう言って阿部さんは部屋から出ていった。
震える手を必死に抑えながら、作業をしていく。ミスをしては直してミスをしては直して。ダメだ終わらない。
ブー
スマホが震える。目を向けるとふっかからメッセージが。
ふっかどう?終わりそ?いつもの居酒屋いるからもし終えれそうだったらおいでー!
もう今日は良いかな。
期限近いものは何とか終わらせたし、この量なら持ち帰ってどうにかなるはず。
大丈夫。大丈夫。
そう信じてふっかにメッセージを送る。
A今から行くね!
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すずめ(プロフ) - はなみさん» はじめまして、コメントありがとうございます!深澤さんにはこういった一面を隠し持っていて欲しい、なんて思いがら書き進めさせて頂きました。楽しんで頂けたようで何よりです! (2021年11月2日 20時) (レス) id: ae343693db (このIDを非表示/違反報告)
はなみ(プロフ) - 優しい狂気、、、囲い込みふっかさん策士ですね! (2021年11月2日 11時) (レス) @page19 id: ce3d18f1dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すずめ | 作成日時:2021年10月25日 23時