だれのもーん？Ⅲ (ページ35)

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ばいばいは苦手ページ35

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女の子の友達と遊んだあと寂しくなる。

楽しかったぶん1人になった時に感じる孤独感。

だからばいばいは苦手。いつまで経っても慣れない。

どうしようもなく寂しくなった。キラキラと光る街の街灯に通り過ぎるカップルや友達同士で仲良く話す人達。

今日は家に帰りたくないかも。

コーヒーショップに入って、ひとつカフェオレを頼んで、開いた携帯。ここに私がメッセージを送ることは珍しい。しかもプライベートのことで。

でも今日はどうしようも無かった。

『寂しい』

の3文字を送ればすぐについた何人かの既読にすぐに切り替わる電話の着信。

雛｢黒ちゃん｣

黒｢Aいまどこにいるの？｣

雛｢んー、なんか寂しいなって｣

自分でもめんどくさいとは思ってる。でも迎えにきてくれるっていう言葉が欲しかった。そんなの聞かなくても優しいから迎えに来てくれるなんて分かってるのに。

黒｢すぐ行くからさ、教えて？｣

さっきより落ち着いたトーンで、甘い声で話す黒ちゃんに会いたい。

雛｢あのね、渋谷のね…｣

場所を伝えれば、｢今、湧と深田と一緒に渋谷いるからすぐ行くからそこで待ってて？？｣

とだけ言って切られた電話。

携帯を眺めてればりゅせからも個人で『Aちゃんいい子で待ってるんだよー？５分くらいで行くからね！』

ってほんとに優しいんだ。

黒｢A。｣

呼ばれた名前に顔をあげれば、見慣れた3人。

湧｢かわい｣

竜｢Aちゃんかわいい｣

黒｢俺も言おうとしてたのに！｣

女の子の友達と久しぶりに遊んだから少しいつもより可愛い感じの服にくるんと巻いた髪の毛にした。

やっぱかわいいって言って貰えるのは嬉しい。

雛｢ふふっ、嬉しいな｣

湧｢で、Aちゃんは何してんの？こんなところに1人で。｣

そう言いながら私の横に腰掛けた湧ちゃん。

雛｢んーとね、寂しい寂しい姫ちゃんのところにきてくれる王子様探してたの｣

竜｢ほんとそういうのずるいわ｣

っておでこを抑えたりゅせ。あ、りゅせ照れた。

黒｢でも俺が一番最初に既読つけたもん絶対。｣

雛｢黒ちゃんの声聞いて黒ちゃんに会いたくなったの｣

黒｢もうかわいすぎだろ｣

ってオフだからか指輪のついた黒ちゃんの手が優しく頭の上でぽんぽんと跳ねる。

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