だれのもーん？Ⅲ (ページ31)

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なんとなく楽屋に帰りづらくて座った廊下にある椅子。

自分の靴元を見つめて考えを巡らせてたら、俺の視界に入ってきた俺とは別の靴。

青「なーに、黄昏てんの？」

竜「びっくりした、青木くんか」

青「俺じゃダメだった？姫ちゃんがよかった？」

っていたずらっぽく笑った青木くんにはきっと全部俺の気持ちは筒抜けなんだろうな。

竜「今それ言うのは最低っすよ」

青「ごめんごめん、笑、でも姫ちゃんはほんとモテるね｣

なんて真っ直ぐ先を見つける青木くんが考えてる事は俺には分からない。俺の気持ちだけが青木くんにバレてるなんてやっぱり恋って盲目じゃん。

青「そんなに好き？姫ちゃんのこと｣

竜「もうAちゃん以外を好きになるなんて無理なくらいには夢中かな。」

青「どストレートだねー笑」

ってまた笑った青木くん。

青「でもそれはさ、きっと深田だけじゃない。他もそうだと思うよ。」

竜「わかってます。そのくらい」

青「Aちゃんずるいからなー笑、天性の人たらしだよねあんなの笑｣

かわいいし、優しいし、何にでも一生懸命だし、って話す青木くんの顔は優しくて、なんか青木くんといるとさっきの気持ちも少しは落ち着く。

竜「自分も同じことやるんでお互い様なのはわかってるし、別に湧くんがこんな風にAちゃんと遊びに行くのもいつものことだし」

青「うん、でも断れたのが心にきた？」

竜「どストレートすぎだから！笑」

青「あ、いつもの深田だ笑」

ってまたいたずらっぽく笑った青木くん。
どストレートだけど逆に変に慰められるよりはこっちの方が案外いいのかもって。

青「でも深田はちょっと焦りすぎだと思うよ、いろんな意味で」

竜「ん？」

青「湧さんみたいに余裕もたないと自分苦しめちゃうだけだと思う。湧さんが言ってた、俺はAと過ごす今を大切にしたいって、だからさ深田はきっと焦りすぎなんだよ」

青「まぁ、好きの気持ちを自分でコントロールできたら既に苦しんでないか笑」

竜「ほんと俺の傷めっちゃえぐるやん笑、まぁそれが青木くんのいいところでもあるけど笑」

青「え？褒めてる？それ？笑」

褒めてる褒めてるなんて言えば「絶対適当じゃーん」なんて笑って

「でも姫ちゃんに恋はまだ早いと思う」

って意味深発言をして、去っていった青木くん。

恋はまだ早いか。

その意味を知るのはいつになるんだろうな、なんて

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