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明らかにいつもより悪い顔色にいつもかかないはずの汗で前髪をぐっしゃりと濡らしてるA。
息もいつもよりあがっていて、それに本人は気づいてないかもだけどフラフラな足取り。
もちろん会った瞬間に気づいて止めようとも考えたけどそれが本人を追い込んじゃいそうで様子を見ようってなった俺ら。
でも、やっぱ間違えだったかも。
湧「A、っ」
ふらっと倒れてきた身体を受け止めれば、きつく閉じられる目。
明らかに不規則な呼吸に優しく抱きしめれば微かに「湧ちゃん」って声。
湧「ん？」
雛「Aね？疲れちゃった、」
久しぶりに聞いた気がするAのお仕事に対しての弱音。
湧「ん、休もうな？」
颯「A、」
湧「もう颯太も深田もそんな顔するなって笑」
横を見れば今にも泣きそうな2人の顔。
竜「Aちゃん大丈夫だよね？」
湧「大丈夫、だいじょーぶだから」
完全にパニクってる深田とAの手を握らせれば、ちょっとAの顔がさっきより和らいだ気がした。
もちろん、俺も焦ってるし、この大丈夫は自分に言い聞かせるために言ってるものなのかもしれない。
湧「休もうな、大丈夫、大丈夫。」
俺の腕で固く閉じられた目。優しく頭を撫でればぽろぽろと溢れ出す涙。
雛「ん、っ、湧ちゃん、ぎゅー」
湧「どした、どした大丈夫だから、な？」
Aを抱き直してぎゅーしてあげれば声を出して泣き始める。
湧「疲れたな、1回落ち着こうな。」
Aは弱い。心も繊細で誰よりも傷つきやすくて、考えすぎちゃう子で儚くていつか突然消えちゃいそうなそんな子。
だから俺たちが守ってあげなきゃいけない。
ううん。違う。守ってあげたいんだ。
湧「落ち着いた？？」
俺の腕の中で数分間泣き続けたA。目は真っ赤に充血してて、ほっぺは真っ赤に染まっている。
雛「ん」
尚「いっぱい泣いたね、笑、」
指で涙を拭う織山も、ずっとAの手を握ってる深田も、Aの汗を拭ってくれてた颯太も、Aをしっかり守ってる。
湧「明日、レッスンやめとこっか」
雛「んーん、みんないるならがんばるっ」
たまには休んでもいいのに、頑張り屋さんな君にまた優しく頭を撫でた。
湧「じゃあ明日はずっとそばに居るからな｣
辛いこともみんなで乗り越えような。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年6月18日 21時
