だれのもーん？Ⅲ (ページ12)

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忙しさも優しさもページ12

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疲れた。

ただその一心で、ぼーっと乗る移動車。

忍者の活動も有難いことに最近多くて、スプパラ、俺バン、サマステって続いているうえに、ドラマと映画の撮影がダブルで重なってしまった。

マネ「A寝ててもいいよ？」

そうマネージャーは言ってくれるけど手放せない手に握り締めた台本。この重みが自分の心さえも潰してるみたい。

湧「Aおはよ」

変わらず会う度にハグする湧ちゃんに縋りたくなるのはこれで何回目だろう。

優しく頭を撫でてくれる大きな手に、優しい湧ちゃんの眼差し。大好きな湧ちゃんの香りに包み込まれれば泣きたくなる。

離れた身体に寂しさを覚えるけど「疲れた」なんて言えない。
みんな頑張ってるんだもん。

湧「もうちょっとぎゅーする？」

なんて見透かされように聞いてくる湧ちゃんにこれ以上は負担をかけたくなくて、「ううん」って断った。

湧「俺がしたいんだけどなー？」

湧ちゃんってやっぱずるい。優しすぎてずるい。

さっきよりも痛いくらいに抱きしめられた身体。背中に回された手がぽんぽんと私の背中をリズム良く跳ねる。

まるで大丈夫だよってそう伝えるかのように。

はぁ、はぁと息を整える私。私ってこんなに体力なかったけ。
寝不足だし、ご飯食べてなかったからかな。

体調管理もお仕事の一環なのに。

檜「A大丈夫か？？」

息があがってないこせくんにその横から心配そうに見つめる青ちゃん。

雛「はぁ…大丈夫っ、だよ」

そう言っても心配そうな眼差しは私に突き刺さったままでこせくんの手が私の前髪に伸びれば優しく整えてくれる。

檜「頑張りすぎるなよ」

雛「…うん」

今思えばこせくんからの忠告だったのかも。なんて。

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