運とガヤ ページ3
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神様は本当にいるのだろうか。もしいるとするのならば、今すぐ金一封を捧げて心から感謝したいと思う。
挨拶が終わった後、Aは唯一この教室で空いていたドンヒョクの隣の席に座ることになった。
ドンヒョクはこの空いている隣の席を気に入っていた。物置にできるし、たまにジェノやジェミン、ロンジュンがこっそりと座って隣同士で授業を受けることができるから。
慌てて机の中に入れっぱなしにしていた教科書類を自分のところへと移動させる。その慌て様は少しおかしくて、ジェノにこいつバカなんじゃねーのと揶揄われていつもならなんだよと言い返していたはずだが、今はそんな揶揄い文句なんてまともに頭に入らないぐらいどうでもいいことだった。
準備出来たと言うように担任の方に目を向けるとAはゆっくりとドンヒョクの元へ足を運び、ドンヒョクの慌て作業で綺麗になった机にかけていたリュックを下ろし、椅子を引いてちょこんと座った。
「これからよろしくね」
男にしては高めのドンヒョクの声より何オクターブか高く、柔らかな物腰で挨拶を通わせたAにドンヒョクも釣られて優しくうん、よろしく。と短く返した。
「あ、名前聞いてもいい？わたしはAA。気軽にAって呼んで欲しいな」
「しってるよ。さっきの自己紹介聞いてたし。
俺はイドンヒョク、俺のことは別になんて呼んでくれてもいいよ」
「うん、わかった。ありがとう」
優しめの声で釣られながら、緊張してぶっきらぼうにならないように返事をして会話を続けると、後ろの方でドンヒョクにやにやしすぎだろ、と聞き慣れた声が聞こえたがそれもまたドンヒョクにとってはどうでも良かった。実際そうだし、それにただ目の前にいるAが今のドンヒョクにとって、刺激的な存在であることに変わり無いからだ。
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作者名：しゃしゃねこ | 作成日時：2021年4月7日 23時
