主人公は君【ドンヒョク】 (ページ11)

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カッコつけたくてページ11

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お手洗いから戻ってきたAに、もう行く？とだけ聞けば時間を見てから、うん。と帰って来たので帰ることに。

お会計の合計が表示されて、Aが全額払おうとしていた。

「俺が払うからいいよ。財布しまっとけ」

「え、でも元々わたしが払うっていう話で…」

そういえば、Aが奢ってくれるから行くことになったんだけ。と初めの方の記憶を思い出す。
時間が経ったのと、話していたせいですっかり忘れていた。

「それ俺忘れてたからナシ」

「それじゃあ…」

「だったら帰りに一番安いアイス奢って。それだけで俺十分だから」

まだ何か言いたげだったAに、そういうとわかった。ありがとう。と言ってくれたので、嬉しくなる。
我ながら臭いセリフだなぁ、アイツらが聞いたらきっと馬鹿にしてくるだろうなと払いながらドンヒョクは思った。

大人になりきれてないくせに、大人の男がするみたいにやってみた。こんな男でも、女の前になると少しでもカッコつけたくなるんだから男って変な生き物だ。

帰り際、店主もといジョンウヒョンがまた来てね可愛子ちゃんとAにウィンク飛ばしながら言い、それに照れながらはい、って応えるAにちょっとだけモヤついて、ねー！俺には？って聞くと、お前はいい、と軽くあしらわれてしまった。

なんだかさっきカッコつけた分が無駄になった気がする。こういうところが、大人になりきれてない、高校生じみているなと思う。

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