主人公は君【ドンヒョク】 (ページ1)

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物語はいつだって。ページ1

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毎日目覚ましをしているはずなのに、いつもその時間よりも30分も遅く起きて、それから大慌てで学校に行って、友達と笑い合いながら過ごして、お昼の授業は睡魔に負けて居眠りしたり、授業をサボったりしてみたり。

帰りにゲーセンに寄り道して、スカートが短い髪の毛を緩く巻いた女の子を見てかわいーな、って思ったり、時々この子タイプかも、なんて思ったら、インスタやってる？なんて、馬鹿みたいなナンパをしてみたり。
でもそれが意外とうまくいったりするもんだから、俺のインスタのフォロー欄とフォロワー欄には所々他校のカワイイ女の子のアカウントがある。

家に帰ると母さんが作った美味しいご飯を食べて、その日一日の疲れを癒すためにお風呂に入って、そのまま睡魔が襲ってきて、大人しく目を瞑り意識を夢の中へと追いやる。

なんの変哲もない、どこにでもいる一般男子高校生の日常。

だが、物語は突然始まる。どの物語も前置きをして始まるなんてものはない。だからと言って、あればいいとは思わない。だって、それじゃあ面白くなくなるだろ？

「ほんと、アンタって馬鹿なやつ」

なんの遠慮もなしにふざけて揶揄うこの目の前にいる女。
こいつが、俺の平凡だった日常に物語を作ってくれたのだった。

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