【CR】ゲ ー マ ー × カ レ シ【短編】

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｢まぁ普通に貰うけど」
｢あっ1万円！」
｢払わん」
｢ケチか」
｢どっちが？」

友達の関係性が色濃く残る会話をもし聞いている人が居たら、その人達は私たちのことをどう思うのだろうか。
普通に恋人だと思って仲良いねと笑ってくれるのか、友達だと思って微笑ましく眺められるのか、はたまた血の繋がった兄妹だと思われたりして。




｢……質問ですカワセさん」

｢んーなに？」

｢今更なんだけど、私と付き合って後悔してない？」

｢……いきなりじゃん。どうしたの」

｢いや、なんか、彼女らしいこと何も出来てないのが今になって気になってきたから。どうなのかなーって」




単純に気になっただけなんだ、深く考えないで。
と言葉を付け加えてやれば、真正面に腰掛けているカワセが意味ありげにふぅんと相槌をうってクリームパスタを食べていた手を止めた。

真ん前からゆっくりと迫ってきたカワセの手は、私の目の横を優しく撫でて。彼が笑った。




｢後悔はしたことない。
むしろ、俺が後悔させてると思ってた」

｢え、カワセが？なんで？」

｢普通に考えて彼女よりもゲームにお熱な彼氏ってどうよ実際。ムカつかん？」

｢そう？……私はゲームやってるカワセが好きだから、なんとも」

｢……ほら、そういうとこ。Aのそういうとこが好きだから付き合ってんの。それにAだって俺のこと好きでしょ？」




なんだその自慢顔は。ちょっとムカつくんだけど。
という言葉を投げつけてやろうかとも思ったが、久しぶりに拝んだ彼の照れた顔と、言葉にせずにいたカワセへの気持ちがちゃんと本人に伝わっていることが分かったら何だか言うのも惜しくなって。

｢うん、好きだよ」なんて。ちょっとだけ素直になってみた。






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