甘えられたい×カレシ【だるま】 ページ31
◇
「俺は甘えられたい」
「……はい?」
休日の昼間。一緒に映画を観ていた彼氏のだるまが唐突にそう言い出したもので、映画に向けていた興味が完全に彼の方に持っていかれる。
だるまは至極真面目な顔で「甘えられたい」と私の目を見つめてもう一度繰り返した。
「……ありさかさんを姫プすればいいんじゃない?」
「は、なんで彼女いんのにあんな奴を甘やかさなあかんのや!」
「あ、彼女を甘やかしたいの?」
「文脈的にそうやろ」
「なんかごめんて」
「お詫びに甘えてくれてもええんやで」
「待って、あまりにも唐突すぎるから説明お願い」
ハグでもしてくれるつもりだったのか、両手を広げて私を待っていてくれるだるまを一旦静止させてから何故こんなことを言い始めたのかを問うと、彼はビシッと固まる。
それからさり気なく視線を逸らして、いやまぁなんかなぁ、なんて彼にしては珍しく言い淀んでいた。なんなんだ、この人。本当にどうしたんだ。
「………昨日、無理させたやろ」
「無理?昨日?きのう……」
“___……悪い、俺我慢できん。”
唐突にフラッシュバックしてきた昨夜の記憶に冷めていたはずの熱が復活して、顔に集まってくる。今度はだるまの発言を理解した私が固まる番で、上手く言葉も発せなくなってしまった私を見て彼が口を開いた。
「せやから!今日くらいは甘えてもらおうかと思ったんで。えーと……ハグでもしますか?」
おずおずと腕を開いて再び私を迎え入れようとしてくれた彼。
理由が理由なものだから何も考えずに抱きつくのはちょっと嫌なのだけれど、まぁ今回くらいはいいか。
黙って腕の中に収まってやると、無抵抗な私に吃驚した彼が「っえ、予想外……かわい…」と呟いてから腕の力を強めた。
予想外で可愛いのはどっちなんだか。
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をとは - 素敵な作品を残してくださりありがとうございます。解釈一致きなこさんをよめてにこにこしました。作者様が好きなことを好きなように書き綴っていけるよう願ってます。 (2022年10月5日 1時) (レス) @page37 id: 899e992e13 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - ゆーちゃさん» コメントありがとうございます!これからも面白いお話が書けるよう更新頑張ります✊🏻✊🏻 (2021年12月16日 9時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーちゃ(プロフ) - どの話もとても素敵でキュンキュンしながら毎日見てます!いつも楽しみにしているので更新頑張ってください^ ^ (2021年12月15日 13時) (レス) id: 56456aa544 (このIDを非表示/違反報告)
-naki-(プロフ) - でこぽんさん» コメントありがとうございます!2話とも読んでいただけた上に喜んで貰えるとは…!色々悩みながら書いたところがあるのでそう言っていただけると本当に嬉しいです😭✨これからも頑張ります! (2021年12月15日 8時) (レス) id: f6c15978d2 (このIDを非表示/違反報告)
でこぽん(プロフ) - コメント失礼します…うるかさんの作品あまり見ないので読めてとても嬉しいです(;;)-naki-様のうるかさんの作品、2話ともあまりにも最高でニヤニヤしてしまいました…どのお話も素敵すぎて読むのを楽しみにしてます!更新頑張ってください〜応援しております…! (2021年12月14日 17時) (レス) id: 72062e125f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2021年11月28日 22時