【CR】ゲ ー マ ー × カ レ シ【短編】

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私が泣き始めてからは度を超えた元彼愚痴大会が開催され、元彼のことを何となく知っているありさかも便乗しそれはもう聞くに耐えないものだったが、これ以上ないほど楽しかった。

あんな男私から捨ててやればよかったんだ！
そうだそうだ！お前はなんも悪くない！
だよねぇ！あ、すみません梅ロックで！
おお飲め飲め飲め！奢っちゃる！
ありさか素敵ー！

と騒ぎに騒ぎまくった結果、かなり酔った。




｢ありさか〜」

｢なんや〜」

｢飲んだねぇ」

｢飲みすぎレベルで草」




覚束無い足取りの私の肩を支えながら歩くありさか。
身長差があるせいかお互い苦しい体勢になっているのに、私が真っ直ぐ歩けないことの方が心配なのかしっかりと腰まで支えてくれている。

私たち以外誰も歩いていない夜道。




｢ねぇ変なこと言ってもいい？」

｢なに」

｢ありさかがさぁ、彼氏だったら…私幸せになれたかな」




傷ついた心に酔いが効いてきたのか、自分でも何を言っているのか分からない事を口に出してしまった。
だって幸せになりたかったから。長年付き合った彼とですら上手くいかなかった私がこれから先女としての幸せを味わえる保証なんて、どこにも無い。

天涯孤独もありだけど、どうせなら青春したい。
恋をしたい、愛されたい。


くだらない思考を巡らせている私を静かに見下ろしたありさかは、口を開く前に、腰にまわした手を強く引いて。


そのまま私を抱きしめた。




｢………そんな事言われたら、俺お前の彼氏になっちゃうけど」

｢…ぇ、…」




私の顔を照らしていた街灯がありさかによって遮られ、彼の名前を呼ぼうとしていた私の唇も流されるように封じられてしまった。


ありさかの私への気持ちに気づいたと同時に、傷心したばかりの恋が動き始める予感がした。






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