11 ページ12
Severus side
目を開くと其処は死喰い人の本部。
月光が不気味に洋館を照らしている。
外装は見るも無惨だが、内装はそこまで廃れていない。コツコツと靴の音が廊下に響き渡る。
突き当たった部屋の戸を開くと、長机を囲んだ死喰い人が一斉に此方を振り返った。
セ「遅くなりました」
帝王は薄らと笑みを浮かべ口を開いた。
ヴォ「____小娘は何処だ」
セ「我が君なら分かってくださるとの事です___」
本当にこれで通用するのだろうか。
召集の合図があったならばすぐさま参上する、これは鉄の掟だ。彼奴の横暴でどうにかなる問題では無い。
他の死喰い人らも目つきが鋭くなる。
正体を知らずとも、鉄の掟を破る者がいるとなれば良い顔はしない。
暫く宙を睨んだ帝王は微かに口端を上げた。
ヴォ「____何処までも生意気な小娘が…まあ良い。セブルス、座りたまえ」
____許した、だと？
帝王を除く死喰い人らは互いに目配せをし合い、眉を顰めた。一体どうなっている？
彼奴は___彼奴と帝王は一体何の契約を結んでいる？
帝王に促され、席に着くと同時にルシウスが口を開いた。
ル「___我が君、小娘とは一体？」
ヴォ「我が陣営に有益なメンバーを迎え入れた___この場で紹介しようと思っていたが…」
帝王は死喰い人の顔を1人ずつ見て再び口を開いた。
ヴォ「____これで全員か？」
蛇のような視線が1人1人を射抜く。
「___クディッチワールドカップ時に応戦した殆どの者はA スリザリンの手にかかりアズカバンへ」
ヴォ「___A スリザリン、がか？」
部屋の空気が変わる。
帝王の目線は先程仔細報告した1人の死喰い人を捕らえた。
ヴォ「___A1人に大勢やられただと？お前達の力はそんなものか？」
「え、あ、いや、ですが…ｯ」
ヴォ「___ですが、何だ？続きを言ってみろ」
「___我々は全力を…」
続きの言葉を紡ぐ事は叶わなかった。
緑の光線が男の心臓を貫き、ゆっくりと倒れる。
バタン、と音と共に帝王は再び口を開いた。
ヴォ「腑抜けは必要無い___他に報告は無いのか」
ル「___我が君、ポッターの件ですが…」
死んだ男を隣にルシウスが声を上げた。
ヴォ「ああ…面白い事になっているようだ…退学処分と懲戒尋問とは魔法省も中々使えるものだ」
帝王の言葉にルシウスは引き攣った笑みを浮かべる。
ル「___ええ、でも…ダンブルドアの差し金で退学処分は無くなり、懲戒尋問のみと…」
部屋の空気が更に張り詰める。
ヴォ「___余計な真似を」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年1月13日 17時) (
レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
sun(プロフ) - すごい面白いですね！続き楽しみにしています！！ (2021年9月4日 17時) (レス) id: 939e0cb642 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チキン | 作成日時：2021年2月10日 22時
