103 The madness of MrCrouch ページ6
2回ノックすると扉が開いた。
セ「…入れ」
セブに促され、部屋に入る。
___久しぶりだな、この感じ
セ「変わらないだろう、何も」
『ええ___私達の関係以外は、ね』
セ「___そうだな。紅茶でいいか？」
『ありがとう』
紅茶を受け取り、ソファへ体を沈めた。
『___突然どうしたんですか？』
セ「…見てくれ」
ローブを捲り上げた左腕前腕にある闇の印が露わになった。
セ「分かるか…？変化が」
私はゆっくりと頷いた。
明らかに闇の印は "濃く" なり、くっきりとしていた。
『カルカロフはこれを…』
セ「左様___もう此処まで来ると…闇の帝王の復活はザッと半年持つか持たないかだ」
事実を知る私は頭の中でザッと計算する。
___残り4ヶ月、しか無いのか
復活したら私は…
セ「A」
名前を呼ばれ顔を上げるとセブはじっと私を見ていた。
セ「我々は強くなくてはならない…大切な人を裏切っても、なお進み続けなくてはならない。我々にしか出来ない任務だ」
セブはゆっくりと、私の目を見ながら話す。
声色は厳しさを含んでいる。
セ「どんな状況下になっても目的を失ってはならん。たとえ___大切な人を失ってもだ」
『___ｯ』
セ「お前は…強い。だが、精神はまだまだ未熟だ。天秤にかけられた時、お前は選べるかね？」
『___天秤に、？』
セ「例えは…そうだな。ハリーポッターと我輩、何方を助けるかね？」
『それは、』
セ「判断が遅い。お前の任務はポッターを守る事だ。迷っている時間は無い」
『…私はｯ、ハリーも…セブも、！どっちも大切なの。失いたく…ないの、』
強欲だろうか、そう願うのは___
危険な状況下の時に私は何方を助けるのか。
ハリー？それともセブ？
そんなの___
セ「___A、よく聞け」
驚くほど静かな声だった。
セ「闇の世界は想像を絶する程、裏切りで満ち溢れている。生半可な気持ちでは生き残れない、待つのは死のみだ」
セブの瞳には揺らぎが無かった。
___ああ、この人はもう何度もそういう体験をしているんだ
私の想像を絶する程悲しい想いもしている。
彼には敵わない。
何も失っていない私が何を甘えた事を言っているんだ。セブはおろか、誰一人守れない。
私は___
『私は…弱い、もっともっと…強くなりたい。大切な人を…全員守れるように』
セブは何も言わず、私の頭の上に手を置いた。
セ「___自分を大切にする事も忘れるな」
セブは柔らかい笑みを浮かべていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チキン(プロフ) - こぐま☆にゃんこさん» ありがとうございます（ ; ; ）！そう仰って頂けて嬉しいです(*´-`)今後も何卒宜しくお願い致します！！ (2021年2月8日 17時) (
レス) id: 55e10b36fe (このIDを非表示/違反報告)
こぐま☆にゃんこ(プロフ) - 面白い作品で夢中で読ませて頂いております！二人の恋が、どうか最後には幸せになることを天に祈ってしまうほどに、気持ちが入ってしまうほどの作品でした！これからの続きも楽しみにしております！ (2021年2月8日 2時) (レス) id: e3cd7b0c38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チキン | 作成日時：2020年12月30日 1時
